1年で20cm以上成長することもあるウンベラータ。緑色をしたハート型の葉がかわいく、インテリアグリーンや恋愛運を高める風水アイテムとして人気があります。今回は、そんなウンベラータの育て方について、冬の過ごし方や葉が落ちる原因などをまじえてご紹介します。
ウンベラータとは?どんな観葉植物?
ウンベラータは、イチジク属に分類される観葉植物です。気温や湿度の高い原産地のアフリカでは人の背丈を超える大きな木として知られています。
もともとが大きい木なので成長のスピードが早く、夏の間だけで20cm以上伸びることも少なくありません。日々、成長が見て取れるので育てる実感が欲しい方におすすめです。
同じイチジク属の観葉植物には、インドゴムノキやベンジャミン、ガジュマルなどがあります。
ウンベラータの育て方!おすすめは「鉢植えタイプ」
ウンベラータを育てるなら鉢植えにしてあるタイプから育てるのがおすすめです。
苗だけを購入してしまうと鉢と土を用意して植え替える必要があるので、まずは鉢植えの状態になっているものを用意しましょう。
ウンベラータの鉢植えなら1年中購入できるので育て始めるタイミングはいつでも構いません。成長する姿が見たいなら、成長する時期(初夏〜秋)の前には準備しておきましょう。
ウンベラータを育てるために必要なグッズは?
- ウンベラータの鉢植え
- 液体タイプの肥料
- ジョウロ
- 枝を切るはさみ(剪定バサミ)
ウンベラータを育て始めるなら、まずは鉢植え以外に液体タイプの肥料やジョウロ、剪定バサミを用意しましょう。
ウンベラータの管理場所!冬の過ごし方は?
ウンベラータの成長が促される気温は18~30度です。日光を浴びた方がよく育ちますが、季節によって日差しの強さや気温が変わるので置き場所も合わせて移動させてください。
初夏〜秋の時期なら、午前中いっぱい日のあたる窓辺で管理するのがおすすめです。ただ、真夏の西日に当たると葉が焼けて枯れ始めるので、西日の当たらない場所で管理しましょう。
冬はできるだけ温かい部屋に移動させるのがおすすめです。日中は日光の当たる場所におき、夜は気温が下がるので窓ぎわから離しておきましょう。
ウンベラータの育て方!水やりの仕方や肥料の与え方は?
ウンベラータを健康に育てるための秘訣は日々のお手入れです。特に水やりや肥料の与え方によって、大きく育つのか枯れるのかが決まります。
水やりのタイミングと量は?
時期によって水やりのタイミングや量が違うのは、気温の違いで土の乾燥時間が違うからです。
4〜10月は、鉢の土の表面が乾いたら鉢の底からしみ出すまでたっぷりと水をあげてください。特に7~8月は毎日水やりが必要になるかもしれません。
11〜3月は土の表面が乾いて数日たってから、鉢底から流れ出るくらいたっぷり水やりをします。
水不足になると葉が下向きにしおれてくるので、その状態を目安にしても構いません。ただ、夏ならその日のうちに水をあげてくださいね。受け皿にたまった水はすぐに捨てましょう。
肥料の与え方は?
ウンベラータは4~9月の間に追加で肥料を与えます。ただし、鉢植えを購入した直後など最初から土に肥料が混ぜてある場合は特に必要ありません。
栄養分のない土に入れ替えた場合や土の栄養分がなくなって成長スピードが前年よりも遅くなった場合などは、2週間に1回水やりの代わりに液体肥料を追加で与えましょう。
ウンベラータの育て方で注意することは?
ウンベラータを育てていると、害虫にすみつかれたり、病気になったりして葉が枯れることがあります。完全に予防することはできませんが、取り返しのつかない状態になる前にできることを知っておけば、対応できるので安心です。
日光不足や根腐れで植物全体が弱っていると、ハダニやカイガラムシといった害虫の被害にあいやすくなります。
また、葉っぱに白い点々が現れたときは、うどんこ病という病気にかかっているかもしれません。
害虫や白い点々を発見したらすぐに殺ダニ剤や殺虫殺菌剤を散布するか、直接捕まえて退治するのが被害を広めないポイントです。
うどんこ病は、初期段階であれば重曹などを溶かした水を吹きかけ、自然治癒を待ちましょう。自然治癒できない場合は、被害を広げないために農薬や殺菌剤で菌を退治してください。
ウンベラータの枝を切ろう!切るタイミングと方法は?
成長の早いウンベラータの楽しみ方の1つが枝を切る「剪定(せんてい)」です。長く伸びた枝や葉の数が増えてきたら剪定を行いましょう。
また、ウンベラータは切り口から白い樹液を出します。直接触ると、かぶれる可能性があるのでゴム手袋を用意して、樹液が床につかないよう新聞紙を広げた状態で剪定を開始してください。
剪定後の切り口から菌が侵入すると病気にかかることがあるので、剪定バサミはいつでも清潔にしておきましょう。
■ 用意するグッズ
- ゴム手袋
- 新聞紙
■ 手順
- 床に新聞紙を敷く
- 剪定バサミを洗うか除菌する
- ゴム手袋をする
- 5〜9月の間「下向き・内向き・交差している枝」を枝の生えぎわから切る
ウンベラータは1〜3年に1回鉢を替えよう!
鉢植えにしたウンベラータは、1〜3年に1回の頻度で植え替えが必要です。鉢の底をのぞいてみて根がはみ出ていたら、ウンベラータの根が伸びるスペースがなくなっている証拠です。
根にとって狭すぎるスペースは成長をさまたげるだけではなく、放っておくと「根腐れ」「根づまり」といった生育不良を起こして枯れてしまいます。
5~6月の期間に鉢の底を見て、植え替えが必要かどうかを確認しましょう。
■ 用意するグッズ
- 今よりも一回り大きな鉢か、同じサイズの鉢
- 観葉植物用の培養土
- 鉢底石
- 鉢底ネット
■ 手順
- 水やりを控えてウンベラータの鉢の土を乾燥させておく
- 新しい鉢の底に鉢底ネットと鉢底石をしく
- 土を1/3ほど入れる
- ウンベラータを鉢から取り出して根について土をていねいにもみ落とす
- 黒ずんだ根があれば切り落とす
- 同じサイズの鉢に植え替える場合のみ根を1/3ほど切る
- 新しい鉢にウンベラータを置き、周りに土を入れる
- 水やりをしてウンベラータが固定できたら完成
- 1週間ほど肥料を控えて涼しい日陰で管理する
ウンベラータは増やせるの?繁殖方法の手順は?
栽培に慣れてきたらウンベラータを繁殖させてみてはいかがでしょうか。「挿し木」という繁殖方法なら初めての方でも手軽に挑戦できますよ。
5〜9月の間であればいつでも可能なので、剪定と合わせてチャレンジすると枝が効率的に利用できておすすめです。
■ 用意するグッズ
- 新しく清潔な土(赤玉土、鹿沼土、バーミキュライトなど)
- 植木鉢やプランターなどの容器
■ 手順
- 容器に土を入れる
- 7cmほど枝を切る
- 土に水をかけて湿らせておく
- 指か割りばしで土に穴をあける
- 枝を挿して根が生えるまで土を乾燥させないように水やりを続ける
- 涼しい日陰で管理する
- 2〜3週間ほどで発根したら土が乾いてから水を与える
- 新芽が出てきたら植え替えをする
ウンベラータの葉が落ちるのはなぜ?
ウンベラータを育てていると、葉が落ちてきて「1年中葉をつけるんじゃないの?」と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。
1年中葉をつける「常緑性」のウンベラータが葉を落とすのは環境が合っていないためです。次に葉が落ちるパターンと対応方法をご紹介するので、最近葉が落ちたという方は参考にしてください。
「置き場所を直近で変えた」場合
ウンベラータの葉が落ちる前に置き場所を変えていませんか?
置き場所を変えて「日に当たる時間」が急激に増えたり減ったりしたら、ウンベラータが環境の変化に耐えられず、葉を落とすことがあります。
日に当たる時間の変わる場所に置くなら、1週間単位で日光に当たる時間を増やしたり減らしたりしながら、場所を移すようにしましょう。
「気温が5度未満」で育てている場合
ウンベラータを育てている気温が5度を下回ると葉を落とすことがあります。または、寒暖差が激しい環境にいる場合も同じです。
ウンベラータが正常に活動できる温度の下限は5度で、園芸ではこれを「5度までの耐寒性をもっている」といいます。
冬の時期はベランダなど冷え込む場所におかず、室内の温かい場所で管理してあげてください。
エアコンの風などで「乾燥しすぎた」場合
室内で管理しているとエアコンなどの風をうけて、ウンベラータの葉が乾燥しやすくなります。根が正常でも根の吸い上げる力よりも乾燥が進んだ場合、ウンベラータは葉を落とします。
対策としては1年を通して葉への霧吹きをしましょう。水やりとは別で、葉を落とすだけではなく葉の表面にうるおいをもたせます。
初夏から秋にかけては毎日霧吹きをしてあげると葉につやが出ててきますよ。
初めての観葉植物におすすめのウンベラータを育てよう
観葉植物として人気が高いウンベラータ。インテリアグリーンとして活用している企業や園芸家もたくさんいるように、どんな空間にも合わせやすくナチュラルな雰囲気を演出してくれます。
観葉植物に興味のある方は、部屋の空いているスペースでぜひ、ウンベラータを育ててみてくださいね。
更新日: 2022年06月29日
初回公開日: 2016年02月15日