朝から昼までのほんのすこしの時間だけ花を咲かせるツユクサ。その儚さからたくさんの和歌にも詠まれ、日本人に古くから親しまれてきました。道端や林の中に自然と生えている野草なので、育てるイメージはないかもしれませんが、一年草として育てるとその花の美しさを独り占めできますよ。今回は、そんなツユクサの育て方についてご説明します。
ツユクサ(露草)の育て方のポイントは?
日当たりがよく、湿った場所で育てるのがポイントです。ツユクサは、雑草として扱われるくらい丈夫な植物。水切れに注意すれば、山野草の栽培になれていない人でも簡単に育てることができますよ。
ツユクサ(露草)の苗植えの時期と方法は?
4~6月が植え付けの適期です。鉢植えは、通気性のよい素焼鉢を利用して、1回り大きな鉢に植え付けていきましょう。土は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜた土か、山野草培養土がおすすめです。根の間にすきまができないよう、土は箸や棒でつつきながら入れてください。
地植えは、日当たりがよく、湿り気のある場所に植え付けます。水はけが気になるときは、腐葉土や堆肥を土に3~4割ほど混ぜて調節します。根こそぎ除草しても土の中で生き残り、新しい芽を出して増えていくので、植え場所は慎重に選んでくださいね。
ツユクサの水やり、肥料の与え方
水やり
地植えの場合、日照りが続くようなら水やりをしますが、普段は降雨のみで育ちます。鉢植えは、土の表面が白く乾いてから、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。
肥料
やせ地でもそれなりに大きくなるので、肥料はあまり必要としません。開花期に液肥を少量与えると花色がよくなります。
ツユクサ(露草)の剪定の時期と方法は?
地植えは、数ヶ月でかなり大きく育ちます。あまりに生長して手に負えないときは、株元から2cmくらい残して短く刈り込むとよいですよ。
ツユクサの増やし方!挿し木や種まきの時期と方法は?
挿し木
4月上旬~6月頃に挿し木で数を増やせます。茎を4節分切り取り、下の節が水に浸かるようにして水挿しにします。毎日水を取り替えながら育て、ある程度根が生えそろったら土に植え、根付くまでは明るい日陰で管理しましょう。
種まき
ツユクサの種は、冬の寒さに当てた方が発芽しやすいので、花後にとりまきにするか、冷蔵庫などで保管して春まきにします。地植えの場合、環境が合っていれば、あえて種をまかなくてもこぼれ種で繁殖しますよ。
種は、浅い鉢か地面にばらまき、土を被せないようにします。そして、土が乾かないよう水やりをして管理していきます。芽が出てからは通常どおりの管理で大丈夫です。
ツユクサ(露草)の花は繊細な美しさがある
ツユクサは、どこにでもある山野草です。しかし、その繊細でかわいらしい姿から、根強いファンが多い花でもあります。早朝の短時間しか花は咲かず、きれいな状態の花を見る機会は意外と少ないもの。朝が得意な方もそうでない方も、ツユクサを育てると早起きが楽しみになりそうですね。
更新日: 2023年06月21日
初回公開日: 2016年02月20日