「星の王子様」のお話にも登場する樹木、バオバブ。大きく生長し、原産地のアフリカでは樹齢1,000年を超す株も見られるそうです。その見た目が特徴的なことに加えて、実や葉っぱ、種は食料として利用されていますよ。今回は、そんなバオバブとはどんな樹木なのかや、実のパウダーと種から作られるオイルの効果などについてまとめました。
バオバブの学名・原産国・英語
- 学名
- Adansonia
- 科・属名
- アオイ科・バオバブ属
- 英名
- Baobab
- 原産地
- 北アフリカ
- 開花期
- 7~9月
- 花の色
- 白
- 別名
- モンキーブレッドツリー
アップサイドダウンツリー
バオバブとはどんな木?花を咲かせる?
バオバブとは、アオイ科・バオバブ属に分類される植物の総称です。北アフリカのサバンナを中心に広く分布しています。樹高20~30mを超える巨木に生長し、上下逆さまにしたようなユニークな見た目をしていることが特徴となっています。花は深夜にしか開花せず、翌日の昼には枯れてしまいます。
実や葉っぱ、種、幹など木全体が食料や民間薬に利用されてきました。木全体を活用できることから、アフリカに住んでいた種族の多くは、バオバブの木を求めて住処を移動していたそうです。また、精霊の宿る木として昔から崇められてきたんですよ。現代でも観賞用として人気があり、幼木は観葉植物にされます。
バオバブの実のパウダーや種から作られるオイルの効果は?
バオバブの実のパウダー
バオバブの白い花が結実すると、ヘチマのように垂れ下がった実をつけます。この実は、古くから薬として利用されてきました。スーパーフルーツとも呼ばれ、ビタミンCはレモンの3倍ほど含まれています。現地では、レモネードのようにスムージーにして飲まれ、貴重な栄養源とされています。また、この実を乾燥させたパウダーは、健康食品として世界中に流通しています。酸味があって甘く、グレープフルーツに似た味わいだそうですよ。
バオバブの種から作られるオイル
バオバブの種を圧縮して採取されるオイルには、オレイン酸やリノレン酸、いろいろな種類のビタミンを含んでいます。そのため、古くは種を発酵させたり加熱したりしたものが、現地の人には飲料や料理の調味料として利用されてきました。現代では、精製されたオイルが皮膚の保湿剤として高い効果が期待されます。保湿力が高く、アトピーやアレルギーの抑制、抜け毛防止の作用がありますよ。
バオバブの種類や品種は?
アダンソニア・ディギタータ(Adansonia digitata)
アフリカに広く分布している種類で、観葉植物として日本で流通しています。「星の王子様」に登場するバオバブのモデルとなった木でもあります。アフリカに自生しているものをイメージすると尻込みしますが、巨木に生長するまでには数百年の長い年月がかかるので、安心して楽しんでください。
アダンソニア・フォニー(Adansonia fony)
バオバブの中でも比較的小型な種類で、ある程度の樹高になると生長が止まり、幹が肥大して枝分かれします。マダガスカル南部が原産です。
アダンソニア・グレゴリー(Adansonia gregorii)
オーストラリア北西部に自生するバオバブの種類です。樹高5~20mに生長する小型種で、幹が徳利のように下部だけ肥大します。
アダンソニア・グランディディエリ(Adansonia grandidieri)
バオバブの中でも樹形が美しいとされる品種で、マダガスカルに自生しています。現在は、絶滅危惧種に指定され、希少な品種となっています。
アダンソニア・ザー(Adansonia za)
「ザーバオバブ」とも呼ばれる、マダガスカルでは最も南部まで分布している種類です。ボトル型の幹が特徴的で、オレンジ色の花が咲きます。
バオバブの木は観葉植物としても育てられる
逆さまの木として、アフリカやマダガスカルなどの熱帯地域に生えているバオバブの木。実や種には様々な栄養が含まれ、古くから現地の人々に利用されてきました。また、育てやすいことから、観葉植物としても世界中で育てられています。ただ、異常気象の影響で、アフリカではバオバブに含まれる水を求めて、象が木を食べてしまい、数が減っているという問題が起きています。そんな貴重なバオバブの木を、自然と共存しながら守っていきたいですね。
更新日: 2016年02月28日
初回公開日: 2016年02月28日