キク科の一種であるルドベキアは、夏によく見かける草花です。花名は、スウェーデン人植物学者のルドベッグにちなんでつけられた名前ですが、由来に関しては知らない方が多いかもしれませんね。今回は、そんなルドベキアの花言葉や育て方をまとめました。
ルドベキアの花言葉は?
『正義』『公正』『あなたを見つめる』『正しい選択』『強い精神力』『立派』
正義や公平という花言葉は、花名の由来となっているスウェーデンの植物学者オロフ・ルドベックが、公平に研究を評価する性格だったことに由来するといわれます。また、「あなたを見つめる」という花言葉は、花の模様が目のように見えることからつけられました。どれも真夏の炎天下に、真っ直ぐ伸びて咲くルドベキアにぴったりな花言葉ですね。
ルドベキアの花の色や開花時期は?
- 学名
- Rudbeckia hirta
- 科・属名
- キク科・ルドベキア属
- 英名
- Coneflower
- 原産地
- 北アメリカ
- 開花期
- 6~10月
- 花の色
- 赤、オレンジ、黄
- 別名
- グロリオサデージー
アラゲハンゴンソウ
オオハンゴンソウ(大反魂草)
ルドベキアとは?どんな花?
ルドベキアは、ひまわりを小さくしたような姿をした花です。黄色やオレンジ色の花を咲かせ、草丈が高いもので90cmほどに生長します。花色も、夏から秋の炎天下に花を咲かせるところも、日光を好む丈夫な性質も、ひまわりと似ていますね。
ただし、中には多年草のルドベキア・ラシニアタという品種のように環境省の特定外来生物に指定されるほど生命力が強いものもあるので、育てる際は間違えないように注意してください。
ルドベキアの開花時期や見頃の季節は?
ルドベキアは、初夏から秋まで濃い黄色やオレンジの花を咲かせます。北アメリカ原産で、高性種や矮性種、一重咲き八重咲き、一年草タイプ、多年草タイプなどさまざまな種類があります。やせ地でも育つほど丈夫で、夏の暑さに負けず、こぼれ種で増えて野生化しているものが多くみられます。
ルドベキアの種類は?
世界に約30種存在するルドベキアは、北アメリカから明治時代に日本へ伝わってきたといわれています。園芸品種には、一年草やニ年草、多年草の3タイプがあります。今回は、その中でも一般的な一年草のタイプのものをいくつかご紹介します。
ルドベキア・ヒルタ(アラハンゴンソウ)
一年草の代表品種で、中心が黒い黄色の花を咲かせます。茎が細長いため倒れやすい性質があります。
グロリオデージー
一年草の代表種であるヒルタ種の園芸品種で、大輪の黄色い花が外に反って咲くのが特徴です。
ルドベキア・タカオ
一年草の代表品種の1つで、花の中心(筒状花)が黒色の黄色~オレンジ色の花を咲かせます。花は約3〜4cmで、切り戻しを行うことで草丈を低く保ったまま育てることができます。
ルドベキア・プレーリー・サン
大輪に咲く一年草の代表品種です。草丈が60〜80cmまで育ち、明るい黄色の花をしているのが特徴の人気品種です。
ルドベキアの種まきと苗植えの時期と方法
ルドベキアは、種まきと苗植えから育てることができます。開花までの時間が短い植物なので、種まきにもチャレンジしやすいですよ。
種まき
3~4月中旬、9中旬~10月頃に種まきを行います。庭や花壇に直まきする場合は、腐葉土と堆肥をすき込んだ後に種をまきましょう。
鉢植えの場合は、種まき用の土かピートバンなどに種をまいたら、土をかぶせずに水やりをして発芽を待ちます。水を切らさないように育て、本葉が5~6枚になった頃に定植します。
9~10月に種をまく場合は、土壌が凍らないよう寒い日は室内に移動させるなどして冬越しをさせて、暖かくなってから花壇や鉢に植え付けてください。
苗植え
苗植えの場合は、3~6月、10~11月頃に植え付けを行います。日当たりのよいところに苦土石灰や混ぜた用土を用意し、元肥には牛糞などを混ぜ込むのがおすすめです。水はけが悪いようなら、土壌にはさらに腐葉土を混ぜ込んでおくといいですよ。
大きな種類なら30~40cm、小型の種類なら20cmぐらいの株間を空けて植え付けます。生長の過程で倒れそうになるので、ひょろひょろと伸びてきたときには支柱で支えるか、切り戻して草丈を低く保つようにしてください。
ルドベキアの土作り、水やり、肥料は?
土作り
ルドベキアの用土は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3ほどの混合用土が適しています。水はけのよい土を好むので、日向土やバーミキュライトを混ぜるのもおすすめです。
水やり
乾燥した環境を好むので、表面の土が乾いてから水を与えるようにしましょう。乾燥したらすぐに水をあげるというより、少し乾かし気味に育てるのがポイントです。
肥料
元肥として緩効性肥料を施します。生育旺盛な植物なので、生育が悪い場合以外は追肥の必要はありません。追肥する場合は、窒素、リン酸、カリの三要素が等量の緩効性化成肥料を施してください。
肥料の割合は、N10:P10:K10の割合で表記されているものがおすすめです。できるだけ肥料を使わないで育てた方が丈夫に育ちますよ。
ルドベキアの植え替え、切り戻し・花摘みの方法と時期
植え替え
一年草タイプは冬には枯れてしまうので、植え替えの必要はありません。多年草タイプのものは、1年に1回の頻度で、開花前の3~5月か、休眠前の10~11月頃に植え替えを行いましょう。鉢植えにした場合、根詰まりしやすいので、きちんと植え替えを行うことで長く楽しむことができますよ。
切り戻し・花摘み
基本的に剪定は必要ありません。ただし、花を低い位置で咲かせたいときは、花が咲く前に草丈が30~40cmのところまで切り戻しを行います。また、1/2ほど茎を残して切り戻すと、わき芽が伸びて2~3週間後に再び開花します。そして、花が終わったら花茎をつけ根から切り取る花がら摘みを忘れずに行ってください。
ルドベキアの増やし方!株分けと種まきの時期と方法は?
株分け、種まき
植え替えの際に株分けをします。株分けの際には根を傷つけないように手で株を分けると、生命力が強いのでどんどん数を増やすことができます。種まきは、植え付けと同じ時期・手順で行ないます。
ルドベキアの育て方で注意したい病害虫は?
ルドベキアは、風通しが悪い場所で育てるとうどんこ病にかかりやすくなります。うどんこ病にかかった場合は、病変のある葉や茎を、被害の受けていないところまで切り戻します。その後に、さらに被害が広がっていかないように、トップジンM水和剤などの薬剤を散布しましょう。
ルドベキアは花言葉を込めた花をプレゼントしよう!
ルドベキアは、ひまわりによく似た元気な花です。正義や公正などの潔さを感じさせる花言葉を持っているので、力強く真っ直ぐな心を持った方に花束を贈るときは、ルドベキアがおすすめですよ。
更新日: 2021年12月03日
初回公開日: 2015年08月09日