クルクマは、健康食品として知られるウコンの仲間です。春になると球根から茎を伸ばし、白や紫の鮮やかな花を咲かせてくれます。ちょっとエキゾチックな見た目の通り、夏の暑さに強く、庭でも育てやすいですよ。今回は、そんなクルクマの花言葉と育て方、種類や品種についてご紹介します。
クルクマの花言葉とは?
『忍耐』『あなたの姿に酔いしれる』『因縁』『乙女の香り』
蓮に似た上品で幻想的な花を咲かせることに由来して、「あなたの姿に酔いしれる」という花言葉がつけられました。
クルクマとは?花が咲く時期は?
- 学名
- Curucuma
- 科・属名
- ショウガ科・ウコン属(クルクマ属)
- 英名
- Indian safran
Hidden lily
- 原産地
- 熱帯アジア、アフリカ、オーストラリア
- 開花期
- 5~10月
- 花の色
- 紫、白、ピンク
- 別名
- 春鬱金(ハルウコン)
薑黄(キョウオウ)
クルクマとは?どんな花を咲かせる?
クルクマは、ウコン属に分類される球根性の多年草です。食用・薬用として栽培されるものを「ウコン」、花を鑑賞するために栽培されるものを「クルクマ」と呼びます。その花姿が美しいことから、近年は多くの品種が切り花や鉢花として楽しまれています。
直径3~4cmほどの球根は、4~6本ほどの細い根を伸ばし、先端に「ミルクタンク」と呼ばれる栄養分を貯蔵する小さな丸い球根をたくさんつけます。その球根から茎や葉っぱを伸ばし、草丈は30~100cmほどに生長します。
葉っぱは、先が尖った楕円形で、4~8枚ほど束になってつきます。そして、初夏~秋にかけて、茎の先に蓮のような色合いの花を咲かせます。この花のように見える部分は、葉っぱが変化した苞(ほう)で、実際の花は小さく、苞の内側にあります。
クルクマの種類や品種は?
ウコン属には40~50種ほどが分類されているとされています。今回は、園芸用に栽培される種類や品種をいくつかご紹介します。
クルクマ・シャローム(クルクマ・アリスマティフォリア)
園芸で単に「クルクマ」というと本種を指します。原産地のタイでは観賞用としてよりも、根をスパイスや薬用に利用します。大阪花の博覧会で輸入されたことをきっかけに、観賞用として広く栽培されるようになりました。草丈は60~70cmで、紫に近いピンク色の大きな花を7月頃から咲かせます。
クルクマ・ペティオラータ
マレーシアが原産で、クルクマ・シャロームとともに広く観賞用として栽培されています。楕円形の幅広な葉っぱをたくさん茂らせ、その中に淡いピンクの花を咲かせます。「ロータス・ジンジャー」という別名を持っています。
レッドゼブラ
2011年に誕生した新しい品種です。草丈は50cmほどに生長し、濃いピンクに茶色の覆輪の入る花を咲かせます。
エメラルドパゴダ
茎から花までが全て鮮やかな緑色をしている品種です。草丈は20~50cmに生長し、花持ちがよいことで知られます。
ピンクパール
淡いピンク色の花を咲かせる品種です。草丈は30~50cmとクルクマの中でも小さいことから、鉢植えでも楽しめます。
クルクマの育て方のポイントは?
日当たりのよい場所で育て、冬は室内に取り込むことが、毎年花を咲かせるポイントです。暖かい地域が原産なので、暑さに強い反面、寒さには弱く、戸外で冬を越すことができません。また、日に当たらないと花つきが悪くなるので注意してください。
クルクマの球根や苗の植え付け時期と方法は?
球根も苗も、5~6月が植え付けの適期です。鉢植えは、深さのある5~6号ほどの鉢に1株が植え付けの目安です。地表から3cmほどのところに球根を埋めましょう。地植えは、日当たりのよい場を選び、株同士の間隔を20~30cmほど空けて、深さ3~8cmほどのところに球根を植えます。いずれの場合も、球根の根についているミルクタンクが下になるように植えるようにしてください。
クルクマの土作り、水やり、肥料の与え方は?
土作り
水はけと水もちのバランスがよい土を好みます。鉢植えは、赤玉土(小粒)7:腐葉土3、赤玉土(小粒)4:腐葉土3:鹿沼土(小粒)3の割合で混ぜた土がおすすめです。市販の花と野菜用培養土を使ってもかまいません。地植えは、植え付ける前に土を深めに耕し、腐葉土を2~3割混ぜ込んでおきます。
水やり
生育期は乾燥を嫌います。4~10月の間は、鉢植え・地植えにかかわらず、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。ただ、水をやりすぎると根腐れを起こしてしまうので、土が乾いていることを確認してから水やりをするようにしてください。10~3月の間は、地上部が枯れてしまうので、水やりをしません。
肥料の与え方
植え付けるときに、ゆっくりと効く緩効性化成肥料を土に混ぜておきます。そして、4~10月にかけては、リン酸分が少し多い化成肥料を株元に置きます。また、元気がないときは液体肥料をその都度追加で与えてもかまいません。
クルクマの剪定の時期と方法は?
咲き終わった花をそのままにしておくと、球根の栄養が奪われてしまいます。しおれた花は、茎ごと切り戻してしまいましょう。
クルクマの植え替えの時期と方法は?
鉢植えは特に植え替えの必要はありませんが、地植えは秋に球根を掘り上げて室内で管理します。ミルクタンクが取れないよう、土から球根を掘り上げ、5~6号鉢に1株ずつ植え替えます。
5~10度以上保てる室内で、水やりをせずに管理します。翌年の4~5月になったら、植え付け時と同じ手順で地面に植えていきます。
クルクマの増やし方!分球の時期と方法は?
4~5月に、大きくなった球根を分けてそれぞれ育てることができます。根についたミルクタンクが取れないよう注意しながら、2~3個に分けます。それぞれは、植え付け時と同じ手順で鉢植えや地植えにして育てていきます。
クルクマの栽培で注意する病気や害虫は?
特に注意する病気や害虫はありません。
クルクマの花をガーデニングで楽しもう
蓮のような幻想的な花色をしているクルクマ。花持ちがよく、1ヶ月ほどの長い間美しい花を咲かせ続けてくれます。草丈が高いことから真ん中~背面に植えると、きれいな夏の寄せ植えになりますよ。また、切り花にしてお部屋に飾るだけでも、癒やされてしまいそうですね。
更新日: 2022年07月20日
初回公開日: 2016年01月19日