クチナシは、食品の着色料としてご存知の方が多いのではないでしょうか?白くかわいらしい花は、ジンチョウゲ、キンモクセイと並んで三大香木として親しまれるほど甘い香りを初夏に漂わせてくれます。今回は、そんなクチナシの花言葉の由来や学名、原産国、見頃の季節、実の使い方、種類などをご紹介します。
クチナシの花言葉は?
『とてもしあわせです』『喜びを運ぶ』『洗練』『優雅』
クチナシは、美しい白い花びらと香りが特徴の花です。初夏の風によって運ばれてくる甘い香りから、「喜びを運ぶ」という花言葉がつきました。
また、欧米ではダンスパーティーに誘う女性へクチナシの花を贈ることから、「とてもしあわせです」という花言葉で誘われた女性のうれしい気持ちを表現しているとされています。
「洗練」「優雅」との花言葉は、白く美しい花びらの様子に由来しています。
クチナシの花の色は?別名はガーデニア?
- 学名
- Gardenia jasminoides
- 科・属名
- アカネ科・クチナシ属
- 英名
- Common gardenia
Cape jasmine
- 原産地
- 日本、中国、台湾、インドシナ
- 開花期
- 6~8月
- 花の色
- 白
- 別名
- 梔子(クチナシ)
口無し(クチナシ)
センプク
ガーデニア
クチナシは、日本の西南部から中国、台湾、インドシナの広い地域に生息する常緑低木です。
春のジンチョウゲ(沈丁花)、秋のキンモクセイ(金木犀)と並んで三大香木の1つとされており、甘い香りを初夏に放ちます。
クチナシ(ガーデニア)の名前の由来は?
学名のGardenia(ガーデニア)はアカネ属の総称で、18世紀の医師兼植物学者アレキサンダー ガーデンが初めてクチナシを記録したという功績から、彼の名前にちなんでつけられました。
英国ではジャスミンのような香りを放つことから、「ケープジャスミン(Cape jasmine)」とも呼ばれています。
クチナシという和名の由来には諸説あります。
クチナシの実が裂けないことから「口無し」が転じて、萼が鳥のくちばしで果実は梨にみたてて「口梨」、蛇を意味するクチナしか食べない実をつけることから「クチナワナシ」が転じての3説が有力な説とされています。
特に「口無し」が転じたとする説は、「山吹の 花色衣 主や誰 問へど答へず くちなしにして(秋が過ぎ、冬が来ても一向に口を開けない)」という和歌が由来の原点となっており、最も有力な説とされています。
クチナシ(ガーデニア)の開花時期と見頃の季節は?
クチナシの花は6~8月に真っ白な5~6枚の花びらをつけた美しい花を咲かせます。
葉が光沢のある緑色をしていることから、コントラストが美しく、甘い香りを放ちます。花は日が経つと徐々に黄色く変色して枯れ、秋にオレンジ色の実をつけます。
クチナシ(ガーデニア)の花の香りは?
クチナシの花が放つ甘くエキゾチックな香りには、リラックス効果などがあります。また、香りのファンが多いことから、シャネルなど有名メーカーからはクチナシの香りの香水がいくつも発売されています。
しかし、花から香料を得ることがほとんどできないことから、香料素材としてはガーデニア香の調合品がよく使用されます。
クチナシの実は、中国医学では消炎、止血、鎮静、利尿作用、不眠、精神不安などに効果があるとされ、「山梔子(さんしし)」の生薬名で処方されます。
また、疲労回復効果や防腐効果が高いことから、江戸時代には東海道を行き交う旅人が好んで食べていたという歴史もあります。
着色料として用いられるのは、実から生成される濃いオレンジから黄色をした高粘度の液で、食品だけでなく、平安時代には染料としても使われてきました。
今でも栗きんとんやゼリー、たくあんなどの色付けに使用されています。
クチナシ(ガーデニア)の種類は?
クチナシは世界に200種以上の種類や品種があるとされています。今回はその中でもメジャーなものをいくつかご紹介します。
ヤエクチナシ
八重の大輪を咲かせる品種で、花の香り強いという特徴があります。熊本県立田山に自生しているものは、国の天然記念物に指定されています。
ヒメクチナシ
葉も花もクチナシよりひと回り小さく、「コクチナシ」とも呼ばれる品種です。クチナシの変種にあたります。
オオヤエクチナシ
アメリカで品種改良された園芸品種で、「セイヨウヤエザキクチナシ(ガーデニア)」とも呼ばれます。ボリュームのある大輪の花びらが特徴です。
マルバクチナシ
葉と花が丸みを帯びている見た目がかわいい品種です。一重の白い花を春と秋の2回咲かせます。
キバナクチナシ
スクリューのような花を咲かせる品種で、クリーム色から少しずつオレンジ色に花色が変化するという特徴をもっています。
クチナシ(ガーデニア)の花を女性に贈ろう
とても美しい白い花とポジティブな花言葉から、海外ではクチナシの花をプロポーズのときに贈ったり、ウェディングブーケに使ったりするようです。
また、初夏に漂わせる香りから、季節感が感じられ、愛好家も多い植物でもあります。ちょっと気分が上がらないときに、クチナシの花で心を癒せるとすてきですよね。
更新日: 2021年12月15日
初回公開日: 2015年07月06日