ボール状に花かせるランの仲間、エピデンドラム。よく知られている胡蝶蘭やシンビジウムとは違った見た目をしています。多くは鉢植えで流通していますが、開花時期が長いことから、切り花や生け花、アレンジメントにも利用されていますよ。今回は、そんなエピデンドラムの花言葉と、植え替えの方法など育て方についてご紹介します。
エピデンドラムの花言葉は?
『判断力』『可憐な恋』『孤高への憧れ』
他の植物が育たない樹木や岩の上に根を張る姿から、「孤高の憧れ」という花言葉が付けられました。また、かわいらしい小さな花が集まって咲く姿が、「可憐な恋」の由来です。
エピデンドラムの学名・原産国・英語
- 学名
- Epidendrum anceps
- 科・属名
- ラン科・エピデンドルム属
- 英名
- Epidendrum
- 原産地
- 中南米
- 開花期
- 12~8月 ※種類によって不定期
- 花の色
- 白、黄、オレンジ、ピンク、赤、緑
- 別名
- エピデンドルム
エピデンドロン
虹手毬(ニジテマリ)
エピデンドラムとは?どんな花を咲かせるラン?
エピデンドラムは、中南米に分布し、樹木や岩の上に根を張って育つ着生ランです。自生種は、細長い茎を数mほど伸ばし、茎の先に小輪の花をボール状に咲かせます。
700種以上あり、棒状の茎を伸ばすタイプや茎が肥大するタイプ、葉が垂れ下がるタイプなど、種類によって見た目も様々。また、カトレアなど近縁種と掛け合わせた属交配種も多くあります。その中でも日本では細長い茎を伸ばすタイプが鉢花として多く出回っています。
名前は、ギリシャ語で上を意味する「epi」と、木を意味する「dendron」が合わさって付けられました。
エピデンドラムの育て方のポイントは?
日当たりがよい、15度以上の環境で育てるのがポイントです。他のランに比べて暑さや寒さに強い性質はありますが、5度以下になると弱って枯れてしまいます。
鉢植えにして屋外で管理し、秋になったら室内に取り込むようにしましょう。また、直射日光に当たると葉っぱが焼けてしまうので注意してください。
エピデンドラムの苗植え、植え替えの時期と方法は?
苗植えと植え替えは、4~6月が適期です。5度以下になると枯れてしまうため、日本では鉢植えで育てます。そして、培地が傷んできたり、根が回って根詰まりを起こしたりしたら、植え替えをしていきます。
素焼鉢や化粧鉢の底に発泡スチロールを入れて排水性をよくし、水はけのよい培地で根を覆いながら植えていきます。植え付けや植え替えるとき、傷んでいる根は取り除いてから植え付けるようにしてください。
植え付けが終わったら、春~秋までは風通しのよい屋外で管理します。ただ、直射日光に当たると葉っぱが焼けてしまうため、遮光ネットで日差しよけをします。そして、11月頃からは室内の日当たりのよい場所に移動しましょう。
エピデンドラムの土作り、水やり、肥料の与え方とは?
土作り
水はけのよい培地を好みます。化粧鉢やプラスチック鉢ならバーク堆肥、素焼鉢なら水苔を利用しましょう。背が高くなるので、重めの容器を使った方が転倒しにくいですよ。
水やり
春~夏の間は、培地の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。水が足りなくなると、花が球形にまとまらないので注意してください。冬は休眠するので、乾燥気味に育てます。ただ、暖房で乾燥しても枯れてしまうので、定期的に霧吹きで葉っぱに水を与えると安心です。
肥料の与え方
4~5月の間、油かすを株元に与えます。合わせて、4~9月の間、10~15日に1回液体肥料を与えてください。
エピデンドラムの剪定の時期と方法は?
1つの花が長く咲くのではなく、花が次々と咲いてボールの形を維持していきます。しぼんだ花は順次摘み取って、花姿を維持しましょう。また、茎がしぼんだら付け根から切り落としましょう。
エピデンドラムの増やし方!株分け、挿し木、高芽とりの時期と方法は?
エピデンドラムは、株分け、挿し木、高芽とりで数を増やすことができます。いずれも4~6月上旬が適期です。
株分け
傷んで黒くなった根を取り除き、根を傷つけないようほぐしながら分けます。細かく分けると弱ってしまうので注意してください。分けた株は、それぞれ植え付け時と同じ手順で植えていきます。
挿し木
茎の途中から出ている気根が生えている根を選び。10~15cmの長さに切り取って水苔に挿していきます。その後は水苔が乾かないように水苔をして管理し、根が十分に生えたら1回り大きな鉢に植え替えます。
高芽とり
茎の途中から根を生やした高芽が生えてくることがあります。この高芽の根が3~4cmに伸びたら、茎を軽く持ち、下向きに力を加えて親株から高芽を引き離し、水苔に植え付けます。
エピデンドラムの栽培で注意する病気や害虫は?
アブラムシ
新芽や蕾に寄生しやすい害虫で、栄養を吸い取って株を弱らせます。見つけたら、大量発生する前に薬剤を散布して駆除していきましょう。
エピデンドラムは育てやすいラン
エピデンドラムは、次々に花を咲かせてボールのような形になるランです。長い期間花を楽しめるだけでなく、寒さや暑さにも強いことから、育てやすいですよ。独特の姿が印象的なので、プレゼントにも喜ばれますよ。
更新日: 2022年07月20日
初回公開日: 2015年12月01日