豊富な栄養素を含んでいることから、近年健康食材として注目を集める明日葉。青汁の原料として、名前を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
もともとは伊豆大島や八丈島などの暖かい地域に自生する多年草ですが、コツさえつかめばプランターでも簡単に栽培できますよ。
今回は、そんな明日葉の育て方について、栽培のコツや種まき、苗植えの方法などをご紹介します。
アシタバ(明日葉)の種まきや苗植えの時期と方法は?
種まき
発芽適温15~20度なので、暖地なら10~11月の秋まき、寒冷地は4~5月の春まきが適しています。
1. 種を一晩ほど水に浸して発芽しやすくする
2. 根が育つように深めの鉢や育苗ポット、プランターなどに土を入れる
3. 種を土にばらまき、うっすら土を被せる
4. 発芽するまで土が乾燥しないように水やりをして管理する
5. 発芽したら葉っぱが触れ合わないよう間引き、本葉が4~5枚になったら鉢や地面に植え替える
苗植え
4~5月か10~11月に苗を鉢やプランター、地面に植え付けていきます。
明日葉は太い根を深く伸ばすことから、鉢植えなら30cm以上の深さがある8号鉢に1株、プランター植えなら深型の65cmプランターに2株が植え付けの目安です。
地植えは、土作りをすませた畑に、株同士の間隔を40~45cmほど空けて植え付けてください。
アシタバ(明日葉)の土作り、水やり、肥料の与え方は?
土作り
水はけと水もちのバランスがよい中性~弱アルカリ性の土を好みます。鉢やプランターなら、赤玉土(小粒)7:腐葉土1:川砂2の割合で混ぜたものか、市販の花と野菜用培養土がおすすめです。
地植えは、植え付ける2週間前に、深さ30cmほど土を耕して苦土石灰を混ぜておきます。そして、植え付け1週間前に水はけが悪いようなら2割ほど川砂を混ぜ、痩せているようなら1割ほど腐葉土を混ぜ込んでおきます。
水やり
水を与えすぎると根腐れを起こしてしまいます。鉢植えやプランターは、土が乾いていることを確認してから、底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをしてください。地植えは、特に水やりの必要はありません。
肥料の与え方
明日葉は化学肥料に弱いので、植え付けから1~2ヶ月に1回、鶏糞や油粕などの有機肥料を少量施すようにします。肥料の与えすぎは根腐れの原因となるので、控えめでかまいません。
アシタバ(明日葉)の収穫の時期と方法は?
植え付けてから2年目以降に収穫して楽しめるようになります。草丈30cmほどに生長したら、古い茎葉を2~3本残して、若い葉っぱを茎ごとどんどん摘みます。
また、株を長生きさせるために、花が咲いたら摘み取っていきましょう。
アシタバ(明日葉)の増やし方!株分けの時期と方法は?
明日葉は種まきと株分けで数を増やすことができます。種まきの適期や手順は、植え付け時と同じです。花が咲いたら種を採取し、翌春まで保存しておきます。株分けは、勢いよく生長する前の3~4月が適期です。
1. スコップで株の周囲を大きく掘り、根を傷つけないよう掘り上げる
2. 芽が均等に分かれるよう、根をナイフなどで切り分ける
3. 株同士の間隔を40~50cmほど空けて植穴を掘る
4. 堆肥と油粕を少量植え穴に入れる
5. 切り分けた株を植え付ける
6. 通常どおり管理する
アシタバ(明日葉)の栽培で注意する病気や害虫は?
明日葉には、まれにアブラムシやヨウトウムシ、アオムシがつきます。いずれも茎や葉っぱを食べて株を弱らせる害虫です。
市販の木酢液を薄めて散布することで予防できますよ。害虫が発生したときは、見つけたらすぐに取り除きましょう。
アシタバ(明日葉)の栽培のコツは?
水を与えすぎないことと、冬に防寒することが栽培のコツです。
根腐れを起こしやすいので、特に梅雨など雨の日が長く続く時期は、プランターを軒下に移動させたり、畑に溝を作って水がたまらないようにしたりと工夫します。
また、もともと暖かい地域に自生していることから、冬は株元を腐葉土で覆うと安心です。
アシタバ(明日葉)の育て方は水やりがポイント
明日葉は、独特な強い香りと苦みがあり、クセがある味の一方で、栄養満点で健康によいとされる薬草のような植物です。
てんぷらやマヨネーズなどで和えるなど、調理法を工夫することでクセを減らすことができますよ。育て方も簡単で、水やりのタイミングにだけ注意していれば大丈夫。ぜひ自分で育てて、味わってみてください。
更新日: 2018年07月30日
初回公開日: 2016年01月22日