毎日出る生ゴミの処理は誰でもめんどうなもの。だからといって、臭いが広がるので家の中には長く置いておきたくありませんよね。そんな方におすすめしたいのが、生ゴミを堆肥に変えて、ガーデニングの肥やしにする方法です。今回は、生ゴミを使った堆肥の作り方のポイントや手順、虫対策などをご紹介します。
堆肥とは?コンポストってなに?
堆肥とは、園芸やガーデニングに使う「肥料成分を豊富に含んだ土」のことです。英語では「コンポスト」と呼ばれ、枯れ葉や果物の皮などを微生物によって細かく分解してもらいます。
この工程を発酵と呼び、生ゴミを発酵させて堆肥に変換させたものを「生ゴミ堆肥」と呼んだりします。
堆肥を生ゴミで作るメリットは?
今回ご紹介する、「生ゴミを使った堆肥作り」を家庭で行うメリットは2つです。
1つは、自治体によっては補助金が出ること(※1)、もう1つはゴミ捨てが楽になるのと合わせて、園芸やガーデニング用の土を作れることです。
日本の可燃ゴミの約半数は生ゴミといわれ、自治体にとっても生ゴミが減ることはゴミ処理の費用が減るのでうれしいことなのです。
また、庭をもたずにガーデニングを楽しむ方にとって、土は購入するしかありません。しかし、生ゴミを堆肥にすれば、生ゴミを捨てる手間と土を購入する手間や費用が減らせて、一石二鳥というわけです。
生ゴミでの堆肥の作り方4選!米ぬかは必要?
- 電動生ゴミ処理機で堆肥を作る
- 庭で穴を掘って堆肥を作る
- プランターで堆肥を作る
- ダンボールで堆肥を作る
生ゴミを堆肥に変える方法は、主に4つあります。電動の生ゴミ処理機を使ったり、庭穴やプランター、ダンボールなどに土を入れたりして発酵させる方法です。
それぞれの方法によって初期費用や堆肥になるまでの時間、必要なスペースなどが違うので、ご自宅に合った方法を選んでください。次に、それぞれの方法について詳しくご説明します。
1. 電動生ゴミ処理機で堆肥を作る
マンション住まいで臭いのトラブルを避けたい方におすすめなのが、電動生ゴミ処理機です。
電動生ゴミ処理機は、場所を取らず電源があれば短時間で堆肥の原型を作れるグッズです。特に、庭がないマンションやアパートに住んでいる方に人気で、1台2~5万円ほどで購入できます。
生ゴミを処理機の中に入れて、スイッチを押すと2時間ほどで処理が完了します。その後、処理後1.5ヶ月ほど土と一緒に埋めておけば堆肥の完成です。
生ゴミが出た後すぐに処理するので嫌な臭いがせず、お手軽に生ゴミを堆肥にできます。
2. 庭穴に埋めて堆肥を作る
庭にスペースがある方は、庭穴を掘って堆肥を作るのがおすすめです。余計なコストを掛けず、掘った分だけいくらでも堆肥作りができること、自然の力でていねいに堆肥が作られることが特徴です。
土の中では、一定の温度と湿度が保たれるので、堆肥化がゆっくり進みます。外なので臭いも漏れにくく、虫が寄ってくることも少ないのがうれしいポイント。
気温が低いときは発酵が進みにくいので、生ゴミと一緒に米ぬかを加えて発酵を促進させましょう。
■手順
- 庭のすみに生ゴミを入れたい分の穴を掘る(直径と深さは同じくらい)
- 枯れ葉や枯れ草、米ぬかのいずれかを穴の底に数cm敷く
- 新聞紙などに生ゴミをくるんで水を切る
- 生ゴミを穴に入れて、上から生ゴミが隠れるくらい土を被せる
- 土の上にブルーシートを被せる
- 風で飛ばないようブルーシートの四方に石をのせる
3. プランターで堆肥を作る
マンションにベランダがある方は、プランターを活用した生ゴミの堆肥作りにチャレンジしてみませんか?室内では臭いが気になる方におすすめの方法です。
ただ、ベランダに置いた場合は、近隣の方との臭いのトラブルに注意してください。
生ゴミと一緒にコーヒーのカスを入れたり、生ゴミの周りは必ず土で覆ったり、必ずフタをするなど(※2)、臭い対策には忘れないようにしましょう。
■用意するモノと環境
- 底に穴の空いたプランター
- ガーデニングで使った土か、ピートモス6:もみがら4の割合で混ぜた土
■手順
- プランターに土を入れる
- プランターに周囲を土で囲めるくらいの穴を掘る
- 穴に水を切った生ゴミを入れる
- 米ぬかを生ゴミの表面にかけて土を被せる
- 次の生ゴミが出たら新しい穴を掘って生ゴミを入れる
- 最後の穴が一杯になってから1週間後に全体をかき混ぜる
- 数日ほど寝かせて完成
4. ダンボールで堆肥を作る
プランターの余りや庭がない、あるいは庭ほど大量の堆肥が必要ない場合は、ダンボールを活用した堆肥作りがおすすめです。
手軽に始められるうえ、コストもかからないので子どもの夏休みの課題として取り組んでみても面白いかもしれませんね。
■準備するモノと環境作りのコツ
- ピートモスともみがらを混ぜた土
- 生ゴミの水を切らずに土と混ぜ合わせること
- コーヒーのカスを混ぜたり、フタをして防臭すること
- ダンボールが床や壁に接触しないよう、足をつけたり壁から離すこと
■手順
- ダンボールの底四隅に足をつけるか、高さの出る台を置く
- ダンボールに土を入れる
- 水を含んだままの生ゴミを入れてよくかき混ぜる
- フタをして1〜3日おきに中身をかき混ぜる
- 3~4ヶ月後に1回園芸用の黒土を追加する
- さらに1ヶ月ほど寝かせて完成
生ゴミで堆肥を作るときに困る臭いや虫への対策は?
生ゴミを使った堆肥化で起きやすトラブルは、「悪臭と臭いに寄ってくる虫(コバエ)」と、「堆肥化に時間がかかる」ことの2点です。
悪臭を抑えれば虫も寄ってこなくなり、発酵中の高温状態が保てれば堆肥化が早く進むので、次の対策を参考にしてみてください。
悪臭と虫への対策は?
通気性のないフタを使い、使用済みコーヒーのカスを土に混ぜるのがおすすめです。堆肥作りの前にできることは、生ゴミが出た日のうちに堆肥化させることです。
特に、三角コーナーに何日も放置して、虫の卵が産みつけられてから土に混ぜるとあとでひどい目にあいます。
堆肥化を進めるには何が必要?
堆肥化を早く進めるなら、「野菜のクズはなるべく細かく刻む」「肉や魚の骨、貝殻、調理された油分の多い食材を入れない」ことを意識しましょう。
また、生ゴミを追加するたびにピートモスや米ぬか、炭などを追加すると発酵が促進されるのでおすすめですよ。
生ゴミを使った堆肥の作り方をマスターしてエコなガーデニングライフを
生ゴミを使った堆肥の作り方がマスターできれば、ゴミを減らすことにつながります。臭い対策が万全なら、安心して堆肥作りにチャレンジできますね。
また、自治体によっては補助金がでるので、長い目で見てお財布にも優しいはず。どうせ、生ゴミが出るならガーデニングの土作りと節約、エコ活動の一石三鳥の生活を楽しんでくださいね。
家庭用生ゴミ処理機器等の購入費補助 参考文献: 生ごみのリサイクル情報(堆肥作りに挑戦しませんか)参考文献: 生ごみを肥料にリサイクル!(段ボールコンポスト) 参考文献: 農林水産省 有機農業 参考文献:
更新日: 2023年03月15日
初回公開日: 2015年05月30日