夏から秋にかけての長い間、赤やオレンジの鮮やかな花を咲かせるサンパチェンス。日本の種苗会社「サカタのタネ」がインパチェンスを元に開発した園芸種で、直射日光に強く、丈夫なことが特徴となっています。株がこんもりと茂るので、庭やベランダに鉢をいくつも並べると見応えがありますよ。今回は、そんなサンパチェンスの育て方について、挿し木での増やし方などをご紹介します。
サンパチェンスの育て方のポイントは?
徐々に大きな鉢に植え替え、たっぷりと水を与えて育てることがポイントです。サンパチェンスは生育旺盛で、小さい鉢だとすぐに根詰まりを起こしてしまいます。何回か植え替えて鉢のサイズを大きくしていくと、生育が促され、こんもりとした株に仕上がりますよ。最終的には10号鉢に1株くらいの大きさになります。
サンパチェンスの苗植えの時期と方法は?
4月中旬~7月に、鉢や地面に植え付けていきます。いずれの場合も、ポットから取り出した苗の根は、よくほぐしてから植え付けるようにすると、根をよくはって育ちますよ。
鉢植えは、5~6号鉢に1株を目安に植え付けます。最初から大きな鉢に植えてしまうと、根が十分に水を吸収できず、生育が衰えてしまいます。地植えは、株同士の間隔を60cm以上空けるようにしてください。
サンパチェンスの土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
水はけのよい土を好みます。鉢植えは、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:堆肥2の割合で混ぜ合わせた土か、市販の草花用培養土、サンパチェンス用の土を使ってください。地植えは、植え付ける前に土をよく耕し、腐葉土や堆肥をたっぷりとすきこんでおきます。
水やり
生育期はたくさんの水を必要とし、足りないと葉っぱがしおれたり、枯れたりしてしまいます。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。夏場は、朝と夕方の1日2回くらい水やりをするくらいでちょうどよいですよ。地植えは、植え付けてから2週間は、根付くように土の表面が乾いたら水を与えます。その後は、降雨のみでも十分に育ちます。
肥料の与え方
サンパチェンスは生育が旺盛なので、たくさんの肥料を必要とします。春~秋の間は、肥料を切らさないようにしましょう。1ヶ月に1回、株元にゆっくりと効く緩効性化成肥料を置くか、7~10日に1回液体肥料を水やり代わりに与えます。
サンパチェンスの植え替えの時期と方法は?
株の大きさに合わせて、鉢も大きくしていきます。植え付けてから1ヶ月ほどたち、株がある程度大きくなったら、8~10号鉢に植え替えてあげましょう。土に水が染み込まなくなる、根が鉢の底から出ているといったことが見られたら、大きな鉢に植え替えるサインですよ。
秋になるまで育てたら、基本は一年草扱いなので、その後植え替える必要はありません。
サンパチェンスの剪定の時期と方法は?
どんどん茎を伸ばして生長することから、サンパチェンスは草姿が乱れてしまいます。枯れてしまった花は順次摘み取っていきましょう。また、7月中旬頃に全体を1/3~1/2ほどの高さに切り戻すと、秋に再び花を咲かせます。清潔なハサミで、茎をバッサリと刈り込んでいきます。
サンパチェンスの増やし方!挿し木の時期と方法は?
サンパチェンスは、挿し木で数を増やすことができます。ただ、PVP品種登録されているため、個人で楽しむために増やすことが種苗法違反になる可能性があります。毎回苗を購入するようにしてください。
サンパチェンスの栽培で注意する病気や害虫は?
サンパチェンスは、日当たりや風通しの悪い環境で育てていると、アブラムシやハダニ、アリなど様々な害虫の被害にあいます。いずれも、株の栄養を吸い取ったり、美観を損ねたりしてしまうので、見つけたら専用の殺虫剤を散布して駆除していきましょう。葉っぱに薬剤が届くよう、散布するときは咲いている花を摘むとよいですよ。
サンパチェンスは直射日光に強い夏の花
サンパチェンスは、インパチェンスよりも直射日光に強いという特徴をもっています。また、株も大きく育ち、花が大きいことも魅力となっていますよ。まだ作出されて10年ほどではありますが、鮮やかな夏のガーデニングにはかかせない花の1つとなっています。花色も豊富で、葉っぱに斑が入る品種もあり、色々な雰囲気を楽しむことができますよ。ぜひ、庭の仲間の1つに加えてみてください。
更新日: 2016年03月02日
初回公開日: 2016年03月02日