木は植えることで庭が賑やかにするだけでなく、家の目隠しとして古くから利用されてきました。また、近年はファミリーイベントの記念に木を植えて育てているという方もいますよね。ただ、庭木といっても紅葉などで四季折々の姿が楽しめる落葉樹、1年を通して葉をつけている常緑樹と育ち方は様々。中には実をつける果樹もあります。
そこで今回は、数ある庭木の中から初心者におすすめの常緑樹や常緑果樹をご紹介します。
庭木とは?常緑樹がおすすめの理由は?
庭木とは、庭に植える樹木のことです。庭木の役割には、外から家の中が見えないようにする「目隠し」、ガーデニングを楽しむうえでの「景観」の2つがあります。また果樹だと、果実を収穫する楽しみもあり、人によって庭木を植える目的は様々です。
庭木にも、選ばれやすい樹木とそうではない樹木があります。例えば、目隠しや景観を目的とするなら、葉っぱの落ちる落葉樹よりは1年中葉っぱをつける常緑樹の方が好まれます。
手入れのいらない庭木はあるの?
樹木は植えたら勝手に育つものではなく、剪定などはある程度必要なので、全くお手入れのいらない庭木というのはほぼありません。
しかしできるだけ手間をかけなくてもいい庭木を探すなら常緑樹で強い樹木を選ぶのがおすすめです。
葉っぱが落ちる落葉樹は秋に美しい枯葉を見せてくれますが、それらの掃除をする手間もかかります。常緑樹で病気に強い樹木なら、お手入れがあまりいらない庭木といえるでしょう。
庭木におすすめ!人気の常緑樹7選
1. シラカシ(白橿)
関東で樫(カシ)といえば「シラカシ」のことを指すほど目にする機会の多い常緑樹です。どんぐりを実らせる木として広く知られています。また、春には黄色い小さな花が楽しめますよ。
寒さに強く、根をよくはる強い樹木なので、庭木や生垣に利用されています。また、病害虫に強い性質があるので、お世話の手間もあまりかかりません。
2. シマトネリコ
和洋どちらの雰囲気のお庭にもマッチする常緑樹として人気のシマトネリコ。病害虫に強く丈夫なので、放っておいても自然と大きく育ってくれます。太陽の光を浴びると元気になるので、日当たりのよい場所を選んで育てていきましょう。
ただ、沖縄などあたたかい地域が原産で、寒さは苦手。冬の冷え込みが激しいときは、根元を腐葉土やバークチップで覆って根を守ってあげると安心です。
3. コニファー
細い葉っぱをふさふさと生やすコニファー。その中でも人気の品種が「エメラルドグリーン」です。名前の通り鮮やかな緑色の木が、1年中庭をあたたかな雰囲気にしてくれます。
自然と樹形が整い、生長も遅いと手間がかからないところもポイント。庭木としてだけでなく、鉢植えにして色々なところに飾って楽しんでもステキです。
4. ヒイラギ(柊)
ヒイラギといえば、クリスマスのリースやアレンジメントの花材によく利用される樹木です。特徴はトゲのある葉っぱ。この葉っぱに魔よけの効果があるとして、古くから生垣や玄関先に植える庭木として親しまれてきました。
背丈が低く、管理もしやすいことから玄関脇はもちろん、庭のちょっとしたスペースに植えて楽しめますよ。冷たい風に当たらない場所を選んであげると、枯れさせる心配もなく安心です。
5. クチナシ(梔子/ガーデニア)
クチナシは、しとしとと雨が降る梅雨の時期に真っ白の花を咲かせる常緑の低木です。世界三大香木の1つとして親しまれるほど、花から濃厚な香りを漂わせます。
もともとは一重の花を咲かせるものしかありませんでしたが、近年はボリュームがある八重の花を咲かせるものも出回るようになりました。
寒さには弱いですが、暗くジメッとした木陰育つ強さを持っています。他の植物を植えにくい場所には、クチナシを植えてみるとよいですよ。
6. キンモクセイ(金木犀)
香りのよいオレンジ花が秋の気配を感じさせてくれるキンモクセイ。公園樹や街路樹として全国各地に植えられています。また、金運がアップする常緑樹として、庭木にも人気。
花のイメージから繊細そうな印象を受けますが、暑さ、寒さ、病気、害虫とどんなトラブルにも負けない強さを持っています。ただ、背丈が大きくなるので、広いスペースを確保して育てていきましょう。
7. ジンチョウゲ(沈丁花)
キンモクセイと並ぶ香りのよい花木のといえば春に花を咲かせるジンチョウゲ。ピンク色の花を枝先にまとまってつける姿が、穏やかな雰囲気の庭を作り出してくれます。
自然と樹形が整うので、剪定の手間がかからないところが初心者におすすめのポイント。低い背丈を生かして、生垣のように何本か植えるとステキなお庭が作れますよ。
庭木におすすめ!人気の常緑果樹5選
1. ヤマモモ(山桃/楊梅)
ヤマモモは、大きな木へと生長する常緑果樹です。日本では関東から沖縄にかけて、南側の温かい場所でよく育ちます。
初夏に実らせる真っ赤な果実は、お酒やジャムに加工して食べられます。庭木としても優秀で、一度根付いてしまえば育てる手間がかからないのがうれしいポイント。広い庭でスペースを持て余している方におすすめです。
2. オリーブ
オリーブは、オリーブオイルやエッセンシャルオイルなどの原料になる果実を実らせる常緑果樹です。他の常緑果樹と違って、鉢植えで育てやすいことから観葉植物としても人気があります。
初夏に白い花を咲かせ、細長い葉っぱの間に緑色の果実を実らせます。実は熟すほどに赤〜黒色へと変化します。自宅で取れたオリーブを使って料理する日を楽しみに、ぜひ育成にチャレンジしてみてください。
3. レモン(檸檬)
レモンといえば、子供から大人まで誰もが知っている柑橘系の果樹です。実は、庭木としても優秀で、常緑性の樹木として一般家庭でも育てられます。
秋から冬の間が収穫期で、果実が緑のうちに収穫して室内でさらに熟させてから食べます。枝にとげがあるので手袋をして作業することや、強い風に煽られて倒れないよう苗が幼いときは支柱を立てるのが丈夫に育てるポイントです。
4. 枇杷(ビワ)
枇杷は、柿によく似たオレンジ色をした果実を実らせる樹木です。果肉は栄養価が高く、少し酸味と渋味があります。また、葉っぱや種の栄養価や効能が高く、奈良時代には薬用にされていたようです。
分厚く濃い緑色の葉っぱが年中ついているので、常緑性の庭木としては申し分ありません。また、開花期の秋〜冬に白花をたくさん咲かせるので、寂しくなりがちな冬から春の季節に庭を彩ってくれますよ。
5. 柚子(ゆず)
柚子は、みかんの仲間になる常緑果樹です。初夏に苗を植え、成熟した樹木になると夏〜冬に果実の収穫期を迎えます。
1年前に伸びた枝に実をつけるため、剪定のときに前の年に伸びた枝を切らないよう気をつけるなど、収穫までの手間暇はかかりますが、育てがいのある樹木です。
庭木に常緑樹を植えて、緑の多い空間を作ろう
いざ庭木を植えたいと思うと、たくさんの種類があって悩んでしまいますよね。また、せっかく植えるなら、庭や家の雰囲気に合ったものを選びたいものです。
ただ、樹は生きており、それぞれが好む環境があるので、選ぶときはお住まいの環境を知ることも庭木を選ぶ上で大切なポイントです。
場所とイメージに合った庭木の常緑樹を育てられると、毎日のお世話も楽しくなりそうですね。
更新日: 2021年12月22日
初回公開日: 2015年06月20日