大切な方を送り出す大切なセレモニーの場であるお通夜や告別式。そんな葬儀の場に用いられる花には種類があり、送るタイミングやマナーが異なります。
遺族が悲しみにくれる中、失礼のないよう故人を偲ぶ花を贈りたいものですよね。そこで今回は、花代の相場や手配方法など、葬儀の花のマナーをまとめました。
葬儀の花の種類と花代の相場
枕花
枕花(まくらばな)とは、納棺するまでの間、故人の枕元に手向ける花のことです。親族や親しかった友人など、故人との関係が深かった方から贈られます。
花代の相場は5,000~20,000円。お通夜の2~3時間前までに、コンパクトにアレンジされた花を手配します。
供花/供華(くげ/くうげ)
供花(くげ/くうげ)とは、故人の供養と会場の飾り付けを目的に、式場や祭壇に供える花のことです。遺族や親族、親しかった友人のほか、遠方で葬儀に参列できない方から香典代わりに贈られます。
花代の相場は7,000~20,000円で、お通夜や葬儀に間に合うように手配します。スタンド花が一般的です。
花輪(はなわ)
地域によっては、式場の周辺に花輪を飾る風習があります。大きさや形、デザインは地域によって異なるため、手配する前にどういったものがよいのか確認するようにしましょう。
故人や喪主の勤務先や取引先など団体から贈られることが多く、10,000~20,000円が相場です。葬儀会場に飾れるよう、前日から当日の朝には式場に到着するよう手配します。
献花(けんか)
キリスト教の風習で、参列者はお焼香の代わりに生花を1本ずつ故人に捧げます。100~500円が花代の相場です。
白い生花を選び、トゲのある花は避けます。供えるときは祭壇から見て花が自分の方へ向くように置きます。
葬儀の花を手配する方法は?
お通夜や告別式に贈る花は、訃報(ふほう)を受けてから手配するのがマナーです。特に枕花をあまりに早く届けてしまうと、かえって失礼にあたります。また、告別式に間に合うように花を贈るときは、できるだけ前日に届くよう手配すると安心です。
献花以外は、自己判断で手配せず、まずどんな花をいつまでに準備すればよいのか葬儀社や指定の花屋に手配するようにします。葬儀社や葬儀会場のお花屋さんが手配してくれる場合は、花の形状、予算、芳名名札に記載する名前を伝えます。
葬儀の花を選ぶときのマナーは?
「葬儀にこの花を使わなければいけない」という決まりはありませんが、トゲのある花や血を思わせる赤い花は避けた方がよいとされています。白、紫、黄色、青、淡いピンクなどが好まれます。
ただ、大切なのは故人を思う気持ちです。故人の好きだった花であれば、あらかじめ親族に断りを入れたうえで贈ってもかまいませんよ。
葬儀でよく用いられる花は?
1. 菊
● 花言葉:『高貴』『高潔』
菊は、葬儀やお墓参りには定番の花の1つです。白色だけではなく、黄色や紫色を合わせて贈ることがよくあります。普通の菊では少し味気ないと感じる方は、ポンポン菊など花姿の違うものを添えると優しい印象になります。
2. ユリ
● 花言葉:『純潔』『無垢』『威厳』
大輪のユリは、枕花や供花に華やかな印象を与えてくれます。「威厳」という花言葉から、男性の故人にも贈りやすい花です。ただ、花粉がつくので、飾る前に花屋さんに取り除いてもらってください。
3. カラー
● 花言葉:『乙女のしとやかさ』『華麗な美』『清浄』『清純』
カラーはすっきりとした印象を与えてくれます。白だけでなく黄色もあるので、組み合わせて供花や枕花を作ってもらうことも多い花です。
4. カーネーション
● 花言葉:『無垢で深い愛』『真実の愛』『永遠の幸福』『尊敬』『愛の拒絶』
カーネーションといえば、母の日に贈られる花として知られています。春の葬儀ではよく用いられ、実母や義母など女性の故人によく贈られます。
5. デルフィニウム
● 花言葉:『清明』『あなたは幸福を振りまく』
真っ青な花色のデルフィニウムは、荘厳な印象を与えてくれますよ。白い花では寂しいと感じる場合におすすめです。
葬儀の花は、マナーを守って贈る
葬儀に贈る花は、宗教や宗派が違うと好まれるものが違います。特にキリスト教では、必ず生花を贈らなければいけないといった決まりがあります。もし不安な方は、あらかじめ親族の方などに相談してから準備しましょう。
マナーを守りながら、故人を弔い、遺族をなぐさめられるような花を贈るようにしてください。
更新日: 2015年09月11日
初回公開日: 2015年09月11日