パンジーは、花色が豊富で花壇やガーデニングに人気のある一年草です。園芸品種の数は千種以上。ガーデニング初心者が育てられるほど丈夫なため、鉢植えやハンギングなど育てる場所を選びません。今回は、そんなパンジーの育て方について、種まきや苗植え、寄せ植えや切り戻しの方法などをご紹介します。
パンジーとはどんな花?ビオラとの違いは?
パンジーとは、10〜5月の秋から春まで花を咲かせる一年草です。花びらが蝶々のような可愛らしい形をしていて、赤・青・黄・白色など花色が豊富で、色鮮やかなガーデニング作りには欠かせません。
パンジーの花びらは5cmほど、草丈は10〜30cmくらいとあまり大きくならないのが特徴です。
パンジーとビオラの違い
パンジーによく似た花を咲かせる花にビオラがあります。パンジーは花びらが5cm以上で、ビオラは4cm以下なのが大きな違いです。ただ、見た目はほとんど同じため、よく見間違えられることがあるので、購入する際は注意してくださいね。
パンジーの育て方のスケジュール
- 8〜9月に種まきをする。
- 10〜11月に苗を植える。
- 土が乾いたら水やりをする。
- 伸びすぎた茎があれば根本から切り取る。
パンジーの育て方① 種まきや苗の植え付け前に土づくりをする
パンジーは、まず苗植えか種まきかによって、土作りの方法がそれぞれ異なります。さらに、鉢植えか地植えで育てるかによっても少し変わってきます。ただし、どちらの場合も水はけがよい土を用意するので、以下の手順に従って準備を進めてください。
種まきをする場合
種まきからパンジーを育てる場合、用意する土が違います。まずは種をある程度育ててから、本当に育てたいサイズの鉢やプランター、地植えへと植え替えるのです。
土は、水もちのよい土が理想なので、赤玉土5:ピートモス4:川砂1の割合で混ぜた土を作るか、ジフィーセブンやピートバンなどを市販で購入しておきましょう。
苗植えの場合
1)苗の鉢植え
鉢植えなら、園芸用品店などで販売されている草花用培養土だけを使っても構いません。以前枯らしてしまった経験がある方は、土を配合して自作しましょう。赤玉土5:腐葉土3:パーライトまたはバーミキュライト2くらいの割合で土を混ぜ、化成肥料を加えて1週間ほど寝かせれば完成です。
2)苗の地植え
地植えなら庭土を掘り上げて、庭土7:腐葉土3くらいの割合で土を混ぜ合わせ、1〜2週間ほど土を寝かせておきましょう。その後、化成肥料を少量混ぜ込んで、苗植えをはじめてください。
パンジーの育て方② 種まき・苗の植え付けをする
種まきの時期と方法
パンジーの種の発芽温度は20度前後です。種まきの適期は8月中旬~9月上旬頃で、10月以降の種まきは開花が遅くなるので注意してください。種まきの容器は、セルトレーや卵の容器など小さく小分けされているものがおすすめです。もしくは、小さなプランターや小鉢を用意してください。
- 採取し種を7〜8月に冷蔵庫に入れて、1ヶ月冷やしておく。
- 容器に土を入れる。
- 種を1粒1粒重ならないようにおく。
- 種が見えるくらい薄く土を被せる。
- 霧吹きなどで土を湿らせる。
- 土が乾燥しないように、風通しのよい日陰で管理する。
- 発芽後は十分に日光があたる場所に移動させる。
- 本葉が3~4枚出てきて、根がトレー内いっぱいにまわったら地植えか鉢に植え替える。
苗の植え付け時期と方法
パンジーの苗を植えるなら10~11月頃が適期です。土作りをすませ、鉢またはプランターを用意するか、庭土を掘り上げておきましょう。パンジーの苗は、根張りをよくするために底の部分と側面の部分を軽くもみほぐしてから植えるのがポイントです。
また、根が乾燥しやすいので手早い作業を意識しましょう。
- ポットから苗を取り出す。
- 白い根がびっしりと張っているなら手でもみほぐして1/3ほど根をくずす。
- 新しい鉢の底に、軽石と土を入れて苗を中心におく。
- 苗の周りを土でうめて固定する。
- プランターや庭に植えるなら苗同士の距離を15~20cm空ける。
パンジーの育て方③ 日当たり加減を管理する
パンジーは基本的に日当たりの良い場所を好みます。ただし、種まきの場合は、発芽までの間は日陰で育てるようにしましょう。
パンジーの育て方④ 季節によって水やり加減を調整する
パンジーは鉢の土が乾燥したら、鉢の底から流れ出るほどたっぷり水やりをします。地植えなら水やりの必要はありません。また、冬は気温が上がりはじめた午前中に水やりをしてください。夕方以降では、水が凍ってしまい根を傷つけて枯らす可能性があります。
パンジーの育て方⑤ 開花時期には肥料を与える
パンジーに追加の肥料はほどんど必要ありません。ただ、秋~春の開花期は栄養をたくさん必要とするので、成長が鈍いときは、鉢植えの場合は月に2~3回程度薄めた液体肥料を与え、地植えの場合は月に1回ほど緩効性肥料を追加してみてください。
育てる環境によって肥料を必要とする度合いが変わるので、根や葉の様子を観察しながら与えるようにしてくださいね。
パンジーの育て方⑥ 切り戻しや花がら摘みをする
剪定・切り戻し
パンジーは花期が長いことから、茎が伸びやすく、倒れて枯れてしまうことがよくあります。そのため、間延びしてしまった茎は花が咲いていたとしても根本から切る「切り戻し」を行いましょう。適期としては梅雨前が一つのポイントです。
株間が混み合ってしまうと、どうしても湿気がちになってしまいます。そこで梅雨前に一度、株の中や隣同士の株とを空気が通るように透かしてあげるように切り戻してあげると良いですよ。
花がら摘み
花を咲かせたままにしておくと、実(種)をつけます。実をつけると栄養がそこに集中してしまうので、見た目が悪くなるだけでなく、病気にもかかりやすくなってしまいます。少しでも元気のない花をみつけたら、「花がら摘み」を定期的に行いましょう。花をつけている茎を根本からひねるように摘み取るのが花がら摘みを行うコツです。
傷んだ葉も同様の方法で摘むと、ほかの花に栄養を分け与えることができ、長く花楽しむことができますよ。
パンジーの育て方⑥ 枯れたら植え替えをする
一年草のパンジーの場合は、基本的には植え替えは不要です。もし枯れてしまったときは、土を入れ替えて、また種や苗から育てはじめましょう。咲き終わると種をつけるので、採取した種でまた増やすことができますが、元の花と同じものが咲く保証はありません。
また、寒さ対策を行う必要は特にありませんが、冷たい風が直接あたる場所では葉が紫色に変色してしまうことがあるので注意してください。パンジーは高温多湿に弱いため、6月頃には枯れていきます。
パンジーの育て方⑦ 病気や害虫の駆除・対策をする
パンジーを育てるときは、アブラムシやナメクジに気をつけましょう。葉っぱや茎に発生することが多いので、植え付けのときにオルトラン粒剤を混ぜ込んでおくか、見つけ次第、薬剤などで駆除するようにしましょう。
パンジーの育て方のポイント
1. 日当たりのよい場所に置く
パンジーは、成長の早い植物なので種と苗のどちらからでも育てられます。また、鉢植えや庭植えなどの場所を選ばないので、できるだけ日当たりのよい場所を優先して育ててください。日光が当たらない場所では育ちにくく、成長が鈍くなるので注意が必要です。
2. 乾燥気味に育てる
パンジーは、乾燥気味に育てるのが長く花を楽しむポイントです。特に、ガーデニング初心者の方で失敗しがちなのが、水やりのしすぎで枯らすこと。水は鉢の土の表面と中が乾いてから行いましょう。
パンジーは育て方が簡単で、秋冬の寄せ植えにもぴったりなお花
パンジーは同じ品種でも色の濃淡が違うなど個体差が出るものが多く、寄せ植えにすることで繊細なコントラストを楽しむことができます。また、花の大きさも大輪~小輪まで豊富に揃っています。
飾る場所に合うパンジーを選んで寄せ植えにすると、空間を華やかに彩ってくれますよ。
更新日: 2023年04月19日
初回公開日: 2015年06月07日