ぽんぽんのようなかわいらしい花を咲かせるアルメリア。たくさんの花を咲かせることと、控えめな姿から、春の寄せ植えによく利用されます。鉢植えにしても、花壇の縁取りにしてもよし。お庭を明るく彩るアクセントになりますよ。今回は、アルメリアの花言葉、株分けの時期や方法など育て方についてご紹介します。
アルメリア(ハマカンザシ)の花言葉と由来は?
『心遣い』『思いやり』『滞在』『歓待』
小花が身を寄せあって丸い花を形づくっていることから、「心遣い」「思いやり」という花言葉が付けられました。
アルメリア(ハマカンザシ)の学名・原産国・英語
- 学名
- Armeria maritima
- 科・属名
- イソマツ科・ハマカンザシ属
- 英名
- Armeria
Common thrift
Sea pink
- 原産地
- ヨーロッパ、北アフリカ
- 開花期
- 3~6月
- 花の色
- ピンク、白、赤
- 別名
- 浜簪(ハマカンザシ)
松葉簪(マツバカンザシ)
アルメリア(ハマカンザシ)とは?どんな花を咲かせる植物?
アルメリアは、ヨーロッパや北アフリカを原産とする、常緑性の多年草です。線のように細く、濃い緑色の葉っぱをロゼッタ状にたくさん茂らせ、草丈は10~30cmほどに生長します。春になると、葉っぱの間から細い茎を伸ばし、白や赤、ピンクの花を咲かせます。小さな花が直径2cmほどのボール状に集まって咲くのが特徴です。
名前の由来
アルメリアという学名は、ケルト語の「ar mor(海に近い、海岸に)」が語源で、海辺の砂浜や草地に自生していることにちなんで付けられました。この学名と、かんざしのような見た目をしていることが、「浜簪(ハマカンザシ)」という和名の由来です。「松葉簪」とは、葉っぱの形が松の葉っぱと似ていることから付けられました。
アルメリア(ハマカンザシ)の育て方のポイントは?
日当たりと風通しがよい場所で、水はけのよい土に植えて育てることがポイントです。もともと海辺や岩場に自生していることから、湿度が高い環境では枯れてしまいます。
アルメリア(ハマカンザシ)の種まき、苗植えの時期と方法は?
種まき
9~10月が種まきの適期です。底の浅い箱に赤玉土(小粒)など清潔な土を入れ、種をばらまいていきましょう。種の上に土は被せず、鉢底から給水させたり、霧吹きで水を与えたり、土が乾かないように日向で管理します。
発芽したら弱そうな芽は間引き、本葉が2~3枚になったら、鉢や地面に植え替えてください。根が地面に垂直に生える直根性で、傷むと枯れてしまうので、植え替えのときは慎重に株を扱いましょう。
苗植え
3~5月か、10~12月上旬に、鉢や地面に苗を植え付けます。鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢を選んで植えていきます。地植えは、日当たりと風通しのよい場所を選び、株同士の間隔を20~30cmほど空けて植えてください。いずれの場合も、根に付いた土は落とさずに植えていきましょう。
アルメリア(ハマカンザシ)の土作り、水やり、肥料の施し方は?
土作り
水はけのよい土を好みます。鉢植えは、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:パーライト2、もしくは赤玉土(小粒)4:川砂2:腐葉土2の割合で混ぜた土がおすすめです。市販の草花用培養土を使うときは、2割ほどパーライトを混ぜ込んでおきましょう。地植えは、土の水はけが悪いようなら、腐葉土やバーミキュライトを2~3割混ぜておきます。
水やり
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えてください。地植えは、植え付け直後は乾燥させないよう水やりをしますが、根付いた後は特に水を与える必要はありません。
肥料の与え方
植え付けるとき、土にゆっくりと効く緩効性化成肥料を混ぜておきます。その後、毎年3~4月と9~10月に1回ずつ緩効性肥料を置き肥か、液体肥料を10~15日に1回与えます。
アルメリア(ハマカンザシ)の剪定の時期と方法は?
種が付くと株の栄養が奪われてしまうので、咲き終わった花は付け根から切り取ります。
アルメリア(ハマカンザシ)の植え替えの時期と方法は?
2~3年して大きな株に生長し、芽の数が増えてくると、株が蒸れて葉っぱや根が腐りやすくなります。鉢植え、地植えともに1~3年に1回、9~11月に新しい土に植え替えてあげましょう。同時に株分けをすると効率的ですよ。植え替えの手順は、植え付け時と同じです。
アルメリア(ハマカンザシ)の増やし方!株分けや挿し木の時期と方法は?
株分け
アルメリアを増やす一般的な方法で、9~11月が適期です。株を土から掘り上げると、太い根が1本生えています。それぞれの株に5~10個の芽が付くよう、根を縦に裂いて分けていきます。細かく分けると根が傷つき、育たなくなるので注意してください。
挿し木
株分けのときに取れてしまった茎などを、パーライトや鹿沼土(小粒)に挿すと発根します。根が生えるまでは、茎を挿した土が乾かないよう水やりをしてください。
アルメリア(ハマカンザシ)の育て方で注意する病気や害虫は?
湿度の高い環境になると、根腐れや灰色カビ病にかかる恐れがあります。いずれも、水はけの悪い土や風通しの悪い場所で発生する病気です。根腐れしたときは、株を掘り起こし、傷んだ根を切り落として新しい土に植え替えます。灰色カビ病は、病気にかかった部分を取り除き、薬剤を散布して拡大を防いでください。
アルメリア(ハマカンザシ)の花は寄せ植えに使いやすい
アルメリアは多年草なので、毎年植え付ける必要はありません。可憐な花姿から、寄せ植えの前面やボーダーに利用しやすいですよ。ただ、湿度の高い環境が苦手なので、乾燥に強い植物と合わせて植えることがポイントです。ガーデニング初心者の方にも育てやすい花なので、ぜひ花壇の仲間の1つに加えてみてください。
更新日: 2022年05月25日
初回公開日: 2015年12月25日