黄色から紅色へと変化する花が特徴の紅花。奈良時代にはすでに日本で栽培されていたとされ、染料や漢方薬として古くから利用されてきました。乾燥や暑さ、寒さに強いことから初心者でも育てやすく、花はドライフラワーや切り花にして楽しめますよ。今回は、そんな紅花の育て方について、栽培のポイントや種まきの方法などについてご説明します。
紅花(ベニバナ)の栽培のポイントは?
日当たりと風通しのよい環境で育て、一度植え付けたら移動させないようにすることがポイントです。地中海沿岸や中央アジアなど雨のあまり降らない地域が原産なので、乾燥気味の環境を好みます。また、根が地面に垂直に伸びる直根性で、傷つくと株が弱ってしまうので注意してください。
紅花(ベニバナ)の種まき、苗植えの時期と方法は?
種まき
紅花は、3~4月に種をまくのが一般的です。耐寒性に優れていることから、関東以南の暖かい地域であれば10~11月にも種まきができます。
3号ほどの育苗ポットに赤玉土(小粒)など種まき用の土を入れたら、中心に1cmほどのくぼみをつけて2~3粒種をまいていきます。発芽するまで土が乾燥しないように水やりをして管理し、本葉が5~6枚ついて根が十分に生えたら、鉢や地面に植え付けます。
苗植え
紅花は種まきと同じ時期に苗を入手し、鉢やプランター、地面に植えていきます。鉢植えは、5~6号鉢に1株が植え付けの目安。プランターは15~20cm、地植えは20~30cm株同士の間隔が空くように植えていきます。いずれの場合も、根が傷むと枯れてしまうので、育苗ポットから取り出したとき、根についた土はほぐさないようにしてください。
紅花(ベニバナ)の土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
水はけがよく、有機質を豊富に含んだ中性~弱アルカリ性の土を好みます。鉢植えやプランターは、赤玉土(小粒)6~7:腐葉土3~4の割合で混ぜた土に、苦土石灰を少し混ぜ込んだものを使います。地植えは、植え付ける2週間前に土を耕し、苦土石灰を施しておきます。そして、1週間前に腐葉土を混ぜて込みましょう。水はけが気になるようなら、幅60~70cm、高さ10cmほどの畝を作るのも1つの方法です。
水やり
乾燥気味の環境を好み、水やりのしすぎは根腐れを招きます。鉢植えやプランターは土の表面が乾いたら水を与え、地植えは降雨のみで過ごします。
肥料
紅花は、肥料が多すぎると茎が伸びすぎてしまい、間延びした姿になってしまいます。植え付けるときに、ゆっくりと効く緩効性化成肥料を混ぜ込んだら、追加で肥料は与えません。ただ、鉢植えは生育に応じて月に1回液肥を施してもよいですよ。
紅花(ベニバナ)の手入れ!支柱立てや剪定の方法は?
支柱立て
背が1m近くまで伸びるので、草丈が20~30cmほどに生長したら、株元の土を寄せていき、脇に支柱を立てて倒れにくくします。麻ひもやビニール紐で数か所8の字に結びつけるようにしましょう。
剪定
多年草のタイプは、地上部が枯れてしまったら、地際から切り戻してしまいます。そして、緩効性化成肥料を株元に施しておくと、翌年の花つきがよくなります。
紅花(ベニバナ)の栽培で注意する病気や害虫は?
紅花は、ハモグリバエやアブラムシといった害虫に被害にあうだけでなく、炭疽病にもかかりやすくなっています。
葉っぱを観察していて害虫を見つけたときは、専用の薬剤を散布して駆除していきましょう。炭疽病は、土の中に潜んでいる菌が原因で、雨などによって泥がはねて株に寄生します。株元へ注ぐように水やりをしたり、株元をマルチングしたりして、泥はねを防止することで予防できますよ。病気にかかったときは回復しないので、病変部分を切り取って処分し、殺菌剤をまいて拡大を防いでください。
紅花(ベニバナ)は活用方法が色々ある植物
紅花は、切り花や庭の寄せ植え、ドライフラワーなど様々なシーンに活用される植物です。また、観賞する以外にも、染物や食用油、薬の原料といった利用方法があり、昔から多くの人々に親しまれてきました。家庭での栽培もそれほどむずかしくなく、気軽に育てて楽しめますよ。ぜひ、春~夏にかけてのガーデニングに取り入れてみてください。
更新日: 2016年03月07日
初回公開日: 2016年03月07日