紫色の花は存在感があり、周りの雰囲気を引き締めてくれる効果があります。パステル調の寄せ植えの差し色に加えると、まとまりがでてきれいな花壇に仕上がりますよ。また、日本では昔から紫色は高貴な色として尊ばれてきたこともあり、ゴージャスな雰囲気を演出してくれます。今回はたくさんある紫色の花の中から、ガーデニングに使いやすいものを10種ご紹介します。
1. チューリップ
チューリップは春のガーデニングに欠かすことのできない球根植物です。まっすぐ伸びた茎の先に、かわいらしい花を1つ咲かせます。紫のチューリップは、他の花色のチューリップと寄せ植えにするのがおすすめ。ピンクや黄色、赤との相性がよく、花壇が豪華な印象になりますよ。
2. 都忘れ(ミヤコワスレ)
都忘れは、佐渡へ島流しにされた順徳天皇が「恋しい都も忘れられる花よ」と表現したことから名付けられた日本原産の山野草です。濃い紫色の花びらと、中心の黄色のコントラストが美しく、素朴な雰囲気を持っています。ロックガーデンに植え付ければ、その可憐な姿を存分に楽しめます。
3. デルフィニウム
つぼみがイルカに似ているところから、ギリシャ語の「delphis(いるか)」が花名の語源となっているデルフィニウム。夏の暑さが苦手なことから、園芸では一年草として扱われることが多いですが、涼しいところなら多年草として育ちます。
「あなたは幸福をふりまく」という花言葉を持ち、花嫁のブーケにも使われる縁起のよい花なんです。草丈が高いので、寄せ植えの中段から背面に配置するのがおすすめです。
4. ラベンダー
ラベンダーは、春から夏にかけてすがすがしい香りとさわやかな紫色の花で楽しませてくれるハーブです。古代ローマでは、ラベンダーの花を浴槽に入れて、湯あみをする習慣があったことから、「洗う」という意味のラテン語「lavare」が名前の由来となっています。
北海道の富良野にあるラベンダー畑は、夏の風物詩として有名ですね。育てた花は、収穫してポプリにして楽しめますよ。
5. アガパンサス(紫君子蘭)
ユリ科の植物で、梅雨の頃から小さな紫色の花を咲かせはじめるアガパンサス。丈夫な性質で管理がしやすく、育て続けていると年々花が大きく広がるようになります。「agape(愛」というギリシャ語が花名の語源で、ヨーロッパでは古くから愛の花として親しまれているんですよ。白い品種もあるので、アガパンサスだけの寄せ植えで夏の花壇を彩ってみるのもすてきですね。
6. ムスカリ
ムスカリは、地面に植えっぱなしでも毎年花を咲かせる、丈夫な球根植物です。茎の先に付く粒々の花が、ぶどうのようにみえることから、「グレープヒヤシンス」「ブドウヒヤシンス」という別名でも親しまれています。同じような花姿のチューリップと寄せ植えにされることが多く、他の花を引き立てる名脇役としてガーデニングに人気です。
7. リンドウ
リンドウは、生花の花材としてもよく利用される、すっきりとした姿が美しい花です。青や紫など寒色系の花色が人気で、1輪花瓶に挿しているだけでも涼しげな雰囲気を作り出してくれます。「誠実」という花言葉から、敬老の日のフラワーギフトにもよく使われています。
8. スターチス(リモニウム)
スターチスは地中海沿岸が原産で、紫色には「しとやか」「上品」という花言葉が付けられています。フリルがきいた花びらがかわいらしく、主張しすぎないことから、花束の脇役によく使われます。花が散った後も、葉っぱが変化した萼(がく)がきれいに色づき続けることから、ドライフラワーにも人気がありますよ。
9. アジサイ(紫陽花)
梅雨の風物詩として、雨にけぶった町をきれいな花で彩ってくれるアジサイ。土の性質によって花色が変化し、アルカリ性なら赤っぽく、酸性なら青っぽく色づきます。たくさんの花びらが集まって、てまりのような姿になる西洋アジサイが一般的ですが、最近は中心の花が咲かないガクアジサイも変わり種としてよく見かけますね。
10. ヒヤシンス
甘く香りのよい花を春に咲かせるヒヤシンス。子供の頃に水栽培で育てたことがあるという方も多いのではないでしょうか。栽培の手間がかからず、水揚げもよいことから、育てた花を切り花にしても長く楽しむことができます。淡い紫色の花は、「初恋のひたむきさ」というちょっと切ない花言葉を持っていますよ。
紫の花を使って寄せ植えに大人っぽさをプラスしよう
よく知っているかわいい花でも、紫色のものは少し大人っぽくてシックな印象になりますよね。気品や格を備えた色として紫色は、古くから人々に愛されてきた色です。また、紫には、心と体を癒す効果があるといわれています。紫色のお花が1株あるだけで、空気が変わって、お庭全体が引き締まりますね。
更新日: 2021年11月10日
初回公開日: 2016年04月17日