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シンボルツリーとは?意味や選び方、珍しいものは?

たった一本で、抜群の存在感を発揮するシンボルツリー。景観をよくして、住まいを引き立てる役割を果たします。目立つところに植えるので全体のイメージが固まりやすく、庭づくりのスタートにもぴったりですよ。今回は、シンボルツリーとは何なのか、選び方とおすすめの樹木を10種ご紹介します。

シンボルツリーとは?

クスノキ シンボルツリー

シンボルツリーとは、見栄えがする一本立ちの樹木のことです。住まいの象徴となって家族を見守る存在で、新築祝いや家族の誕生など、祝いごとの記念樹としても利用されます。

シンボルツリーの選び方は?

自分の庭の環境を見ながら、樹高を基準に選ぶのがポイントです。庭木の中でも特に存在感が重視されることから、丈夫で育てやすく外からも見える高さ5m以上の高木が選ばれます。ただ、最近では日常の手入れがしやすい低木も注目されています。

低木のシンボルツリー

1. ムクゲ(木槿)

ムクゲ 地植え 花壇 空 ピンク

ムクゲは、高さ1mほどに生長する落葉性の花木です。平安時代の頃から庭木や生垣として栽培されてきました。夏から秋にかけて、白、ピンク、赤色をした大きな花を次々と咲かせます。

とても丈夫で育てやすく、放っておいてもちょっとやそっとでは枯れません。ただ、害虫が多く、ハマキムシ、アブラムシ、ワタノメイガ、テッポウムシなどの被害を受けやすいので注意が必要です。

洋風のシンボルツリー

2. エゴノキ

エゴノキ

エゴノキは、日本から東アジアを原産とする落葉性の中高木です。高さ5~7mに生長し、さわやかな枝ぶりが洋風の庭によく合います。5~6月頃には、長い花柄にぶら下がるように、乳白色の花が下向きにつきます。

剪定は、落葉期に徒長枝を切り落とす程度にし、自然の樹形を生かしましょう。植え場所はやや湿った環境がよく、生育期は水をたっぷり与えて育てていきましょう。

3. ベニバナトチノキ

ベニバナトチノキ

ベニバナトチノキは、セイヨウトシノキ(マロニエ)とアカバナアメリカトチノキが交配して生まれた樹木です。大きな樹冠が広々とした洋風ガーデンにぴったり。5~6月には、赤紅色の花をまとまって付け、長さ20cmほどの花序をつくります。

腐植質の豊富な土を好み、粘土質のやせ地では育ちづらくなっています。樹高10~15mと大きく育ち、縦横に枝がよく茂るので、十分なスペースが確保してから植え付けてください。

日陰に強いシンボルツリー

4. ハイノキ

風通しのよい涼しげな枝ぶりが好まれるハイノキ。近年人気が高まっている常緑性の低木です。4~5月頃に咲く白い花は、雄しべが花びらより長く突き出ています。

根を浅く広く張るため、根元を乾燥させるとダメージを受けます。「畑もの」と呼ばれるすんなり上に伸びるタイプが育てやすいですよ。

5. クロモジ(黒文字)

クロモジは、緑色の幹に黒い斑が浮き出ることから名付けられたクスノキ科の落葉低木です。樹皮には香りがあり、早春に新葉がひらくより先に黄色の花を咲かせます。

少しの剪定で端正な樹形をつくる手のかからない樹木ですが、葉っぱが焼けると途端に美観が損なわれてしまいます。午前中だけ日が当たり、午後から日陰になるような半場所に植え付けましょう。

常緑樹のシンボルツリー

6. ギンヨウアカシア(ミモザアカシア)

ミモザ ギンヨウアカシア

春になると濃い黄色の花が木を覆うほど咲くギンヨウアカシア。「ミモザアカシア」という別名を持っており、銀色を帯びた葉っぱの美しさから、シンボルツリーとして古くから利用されてきた樹木の1つです。

寒さに弱いので、関東以西の暖地でないと栽培はむずかしいとされています。若木の頃は地上部の勢いに対して根の生育が遅れがちなので、段階を踏んだ剪定で枝の充実を図りましょう。

7. オリーブ

オリーブ

観葉植物としても人気のあるオリーブ。日差しを受けて銀色に輝く葉っぱの美しさは抜群です。また、秋に付く実はオリーブオイルや塩漬けにして楽しまれます。

基本的に丈夫ですが、水はけが悪いとあっという間に枯れてしまいます。日当たりと水はけのよい場所に植え付け、年間を通じて乾燥気味に育てることがポイントです。

落葉樹のシンボルツリー

8. アオダモ

アオダモ

アオダモは、バットの木材として使われる日本原産の常緑樹です。4~5月に咲く白い花と成木の白い木肌が人気となっています。根づくまでに時間はかかりますが、一度活着すると毎年美しい紅葉も楽しませてくれますよ。

根の充実が地上部にひときわ表れやすいので、腐葉土や堆肥をすき込んで栄養豊富な土に植え付けます。雄の木と雌の木があって、実生で増やすには両方の株が必要です。

9. ハナミズキ

ハナミズキ 花水木

アメリカを代表する花木であるハナミズキ。一青窈さんの楽曲がヒットしたことで、近年再び人気となっています。もともとは、日米友好の証として贈った桜のお返しとして1915年に日本へ渡ってきました。春には白やピンクのきれいな花を、秋には紅葉を楽しめますよ。

日当たりのよい場所に植え、夏は根元を敷きワラで覆うなどして、直射日光や乾燥から根を守ることが元気に育てるコツです。風通しの悪い環境だと病気や害虫の被害にあいやすくなるので注意してください。

10. ヤマボウシ

ヤマボウシ

ヤマボウシは、初夏に木全体を覆うように咲く白い花が特徴の落葉高木です。赤く熟した実は、生やジャムにして楽しむことができます。「友情」という花言葉を持っていることから、友人へのプレゼントにしても喜ばれますよ。

日当たりがよく湿り気のある土を好み、乾燥の激しい場所では枯れやすくなっています。真夏に翌年の花芽をこしらえ、その後落葉して休眠するため、剪定は花芽のない枝を選んでつけ根から切り戻しましょう。

人気のシンボルツリーを庭に植えよう

シンボルツリーは、基本的にその木のみで独立させますが、背景に緑があると一層その美しさが引き立ちます。花木は花色が映えますし、落葉期に葉っぱが落ちても寂しい印象になりませんよ。常緑のつる性木本やグランドカバー向きの低木などをうまく利用して、一年中存在感を保てるような工夫をしてみてくださいね。

更新日: 2022年04月27日

初回公開日: 2016年01月23日

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