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山野草とは?庭の花壇におすすめの種類は?

山や野原で育つ、きれいな草花である山野草。素朴さがポイントで、四季折々に自然味あふれる姿を楽しませてくれます。野生植物のみを指すと思われますが、近年では国内外で品種改良されたものが流通していることが多いんですよ。今回は、そんな山野草とはどんな花なのかと、庭植えにおすすめの種類などをご紹介します。

山野草とは?

山野草 スミレ

山野草とは、平地~高山といった野山に自生する観賞価値のある草花のことをいいます。ただ、日本の山野草栽培の歴史は、まだ100年ほどと浅く、明確な定義は確立されていません。全体的に小柄で、花に派手さはなく、素朴なものを山野草と呼ぶ傾向があります。

近年では野生植物以外にも、国内外で品種改良されたものが「山野草」として流通することもあり、ラン科のエビネ属やキンポウゲ科のオオミスミソウなどの育種がなされ、観賞価値の高いものが広く普及しています。また、ガーデニングに取り入れやすいように改良された古典園芸植物も含まれる場合があります。

庭の花壇におすすめの山野草の種類は?

1. エビネ(海老根)

エビネ

日本を代表する山野草であるエビネ。ラン科の植物でありながら、落ち着いた花色と草姿が特徴です。「謙虚な恋」という花言葉がよく似合い、ヨーロッパではガーデニングに人気の山野草となっています。風通しのよい半日陰で育てると、4~5月に花を咲かせてくれます。

2. サクラソウ(日本桜草)

サクラソウ ニホンサクラソウ 地植え

サクラソウは、江戸時代から庶民に愛される、古典園芸植物の1つです。切れ込みの入ったハート型の花びらを5枚付ける姿が、桜に似ていることから名付けられました。

プリムラの仲間で、草丈が高くならないことから、こんもりとした鉢植えを作って楽しむのがおすすめです。春にぴったりの、淡い花色が人気で、恋愛運をアップする効果もあるそうですよ。

3. すずらん(鈴蘭)

すずらん 庭

すずらんは、世界中の国々でガーデニングに広く取り入れられている人気の山野草です。春の訪れを告げる花とされ、「幸福が訪れる」という花言葉が付けられました。

元々日本に自生しているすずらんもありますが、園芸ではドイツスズランが広く流通しています。丈夫な多年草なので、定期的に植え替えして育てると、長く楽しめますよ。

4. リンドウ(竜胆)

リンドウ 花

紫色の花が蕾のときから美しいリンドウ。秋を代表する山野草で、晴れた日にだけ花を咲かせます。古くから健胃の漢方に利用され、胃もたれ、食欲不振、腹痛、胃酸過多症など消化器系の不調を改善する働きがあります。

日に当たらないと花が咲かないので、日当たりのよい、少しじめっとした場所で育てることがポイント。乾燥すると葉っぱが傷んで枯れてしまいます。

5. 桔梗(キキョウ)

キキョウ (5)

星形の花がかわいらしい桔梗は、家紋にも利用されるほど古くから日本人に愛されてきた花です。気品ある紫色の花は美しく、万葉集にも歌が詠まれています。今では自生種の姿を見る機会は少なくなりましたが、園芸品種が広く出回り、和風の庭造りに活躍してくれます。

6. ホタルブクロ(蛍袋)

ホタルブクロ

ホタルブクロは、釣鐘型のかわいらしい花をたくさん咲かせる、ガーデニングに人気の山野草です。カンパニュラの仲間で、紫のほかに白や赤などの花色があります。

日当たりと水はけがよい場所であれば育てる手間はほとんどかからないほど丈夫。鉢植えだけでなく、地植えにして群生させるのもすてきです。

7. スミレ(菫)

スミレ 種類

ふとした瞬間に道端で見かけるほどありふれた山野草であるスミレ。控えめで奥ゆかしい姿から、「誠実」「謙虚」「小さな幸せ」という花言葉が付けられています。

紫の花色が一般的ですが、ほかにもピンクや白など花色のバリエーションは豊か。エディブルフラワーとして農薬を使わず育てて、砂糖漬けを作るのも楽しいですよ。

8. ホトトギス

ホトトギス 種類

ホトトギスは、ひっそりとした佇まいと、細い茎の先に咲かせる小さな花が愛らしい日本の山野草です。8~11月に見頃を迎え、秋の到来を感じさせてくれます。

崖や山野の日陰に自生しているので、庭に植え付けるときは、風通しのよい場所を選ぶと安心。株分けで簡単に増やせるので、色々なところに植えて楽しめるのも魅力です。

9. 雪割草(ミスミソウ)

ユキワリソウ 雪割草 花 地植え 紫

雪割草は、草丈が低く、地面の近くに紫や白、ピンクの花を咲かせる山野草です。雪の下から恥ずかしそうに顔を覗かせる花姿から名付けられました。

また、「はにかみや」という花言葉も、花の控えめだけれど力強い姿にちなんでいます。育てる手間はそれほどかかりませんが、乾燥にも過湿にも弱いので、鉢植えは水やりのタイミングに注意してくださいね。

10.富貴蘭 (風蘭)

フウキラン フウラン 地植え

素朴な見た目が特徴の東洋ランである富貴蘭。花の香りがよく、江戸時代から園芸に利用されてきました。素朴な花の色合いも人気の理由。まっすぐに伸びた茎のあちこちにたくさんの葉っぱを茂らせることから、観葉植物としても楽しめます。

ラン科の植物は育てるのがむずかしいイメージですが、富貴蘭なら病気や害虫の心配も少なく、ランの入門編におすすめです。

山野草を庭の花壇に取り入れてみよう

山野草は自然の魅力あふれる草花が多く、思わず摘み取って持ち帰りたくなる種類もありますよね。ただ、中には数が大幅に少なく、絶滅の危機に瀕しているものも。

また、同じ場所で大量に採取することで生態系を壊す危険があります。自宅のガーデニングに取り入れるときは、専門の業者から購入するとよいですよ。和の庭造りを進めたい人に、山野草はぴったりです。

更新日: 2022年06月08日

初回公開日: 2016年04月05日

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